2022.01.14

中国国際輸入博覧会レビュー

こんにちは、クリエイティブの井上です。
6月の入社以来、こっそり避けてきたブログ執筆ですが、この度ついに第一回目のブログ番が回ってきてしまったのでございます。。。

執筆作業はとっても苦手な私ですが、幸いトピックは自由に決めていいということ。
書くのが苦手ならせめて、得意なことについて書こう!ということで、自分のキャリアの中心となってきたイベント関係の情報をシェアしたいと思いますー。

今年で4回目になる貿易関係の展示会で、今年は11月5日から6日間開催されました。
それはそれは気合の入ったお祭りでして、国家会展中心という巨大なベニューを貸し切って行われます。この会場、どれだけ巨大かと言いますと、敷地面積86万平米!51万平米のディズニーランドよりも、さらに大きい会場なのです。
運営スタッフは、毎日自分の持ち場に通うだけでかなりの運動量に。。。

さて、この大掛かりな博覧会。私個人的には消費財館(主に化粧品エリア)に毎年何らかの形で参加してきたのですが、今年は新型コロナウィルスの影響も顕著に受け、少し違った雰囲気だったなという印象。そのあたりを共有したいと思います。

1.新型コロナウイルス関連

新型コロナウイルスの押さえ込みに成功している中国。こんなところでうっかり感染が拡大してしまったら大変、ということでコロナ対策はかなり厳重に行われていました。
会場に入る人間は全員ワクチン摂取!(井上もついにこのイベントのためにワクチンを摂取しました)
施工期間を含めて、3日に一度PCR検査!
会場内で正しくマスクをつけていないと罰金!
さすが中国!と思いますよね。

でも、それだけじゃないのです。
国家レベルのイベントなので、いろんな都市から人がやってくるわけですが、ある都市でローカル感染が確認されたら、その都市の人は参加不可!場所代を払っていようが、ブースの建設が完了していようがお構いなしです。
今年は、開会直前に上海近郊都市の杭州でコロナが出たので、杭州の人たちが参加できず、空っぽのブースがいくつか見受けられました。

また、この会場は上海にありながらコロナセキュリティ上は、一番厳重な北京と同じ扱い。
過去にコロナにかかって、コロナ専用の療養所に入院した経験のある人は、参加不可。厳しいですねー。

そんな厳重なコロナ対策の甲斐あって、コロナウイルスの感染が拡大することなく、この規模のイベントが安全に開催されたわけでが、その分来場者数はかなり削られ、最初の2年に比べると明らかに人が少ないなぁという印象を受けました。
「思った効果が得られなかったなぁ」という出展ブランドさんも多かったのではないでしょうか。

2.ブランドの力の入れ方

毎年3,000を超える企業がこぞって出展するこのイベント。コロナの影響で来場者が減るのは目に見えているのに頑張って出展する理由は主にこれ。

「政府の要人とお近づきになりたい」

この輸入品博覧会、1年目は習近平さんが直々にいらして大変な話題になりました。
個人的なコネクションがまだまだモノを言う中国において、この博覧会は普段お目にかかる事のない膨大な影響力をお持ちの方々の目に留まるチャンスなのです。
とは言っても、冒頭にお話ししたとおりかなり巨大な会場。政府の方々も一つ一つのブースを丁寧にみて回る事はできません。ここでビジネスチャンスを掴むのはかなり稀な確率ということになります。

コロナで一般来場者の減少も見込まれる中、今年のブランド側の対応は「政府関係者への義理で、一応出展するけれども、サステナビリティに関する取り組みなどを静的に伝えることに終始する」というものと、「苦しい時こそブランドの勢いを見せようと力を入れて派手なブースを建てる」というものの二極化が進んでいるように見えました。
ブースデザインにかける予算も縮小傾向にあり、お声がけいただいたブランドさんの半数以上が前者の方向を選んでいるのかなという印象を受けました。

どちらの戦略が正しいとも言い難いですが、全体的にイベントの勢いが減速しているのは確かな事実と言えそうです。

いかがでしたでしょうか?

今年は色々考えさせられる中国国際輸入博覧会でしたが、国を挙げた一大イベントである事は間違いありません。来場者を制限しなければいけなかった一方で、オンラインショールームのような取り組みも今年から始まっています。来年以降コロナの状況の変化とともに、このイベントがどんなふうに変化していくのか、どんなビジネスチャンスが生まれるのか、引き続き要注目です。

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