2024.01.11

サービスもモバイル型?自動運転技術で叶える「モバイル型〇〇」

みなさんこんにちは。プロデューサーの不破です。
2024年もどうぞよろしくお願いいたします!

少し前に、お世話になっている友人の誘いで、自動運転技術が搭載された車輌「Moving Space」を蘇州まで見に行ってきました。
Moving Spaceとは、大手システムインテグレーターのTIS株式会社とその子会社TISI(提爱斯数码(上海)有限公司)と、中国の自動運転EVスタートアップ企業PIX Movingが共同事業で開発した自動運転車輌です。
“多機能移動空間”というコンセプトをもとに、リテール、オフィス、レジャー、エンタメなどのシーンで活用できる、モバイルスペース(車輌)を開発しています。

今回見学したホテルのシャトルバス型車輌

今回私が見学・試乗した車輌は、ホテルのシャトルバスとして、広いホテルの敷地内で人の移動を助けるというものでした。決められた停留所に止まっており、ドアの開閉ボタンを押して乗車・降車ができます。大人6人が座れるくらいの広さで、車内にはハンドルなど運転に関わる設備は一切なく、エアコンやスピーカーなど、車内を快適な空間にする設備が備わっていました。

実際に試乗したMoving Space/車内に装備されたコントロールパネル(乗客が自由に操作可能)

AIで周囲の環境データを全て取得しつつ、あらかじめプログラミングされたルートにそって自動で目的地まで向かいます。前方に障害物を察知すると自動でブレーキがかかり、障害物がなくなるまで停止するなど、安全性は担保されているものの、現段階では人を乗せる場合、手動運転の資格を持っている技術者も同乗している必要があるようです。いずれは人を乗せる場合でも完全無人の状態でサービスの提供が可能になるとのことでした。

AIで取得している周囲の情報

ちなみに、この免許は誰でも取得可能ということなので、私も機会があれば試験を受けてみようかなと思いました😄(資格の一つとして持っておくと持ちネタが増えて面白そう、、!)

Moving Spaceのその他活用事例

中国で有名なヨーグルトのブランド「CLASSY・KISS 卡士」は長期的なコラボを実施しており、ショッピングモールや国際展示会、スタジオパーク、駅前広場などで、ブランドオリジナルデザインにラッピングされたMoving Spaceを活用し、新商品の宣伝、試食やテスト販売などを行っています。
内装デザインの自由度も高く、このモデル車輌は壁がもふもふした素材になっていました。
ブランドの特徴やイメージに合わせて内装が工夫できるのは一つ魅力だなと思いました!

CLASSY・KISS 卡士コラボのMoving Space(モデル車輌)

ゴルフ場などでも車輌が置かれており、ヨーグルトやドリンクなどを置いてリフレッシュステーションとして活用されているようです。車輌型になっていればそのまま移動可能なので、色んな場所で使いまわしが効くし、移動型広告としても活用できるなと思いました。

ゴルフ場に置かれているCLACCY・KISS 卡士コラボのMoving Space
画像出典:BRIDGESTONE主催のゴルフコンペ時撮影データ

その他にも、深圳や貴陽などで「移動型カフェ」としてMoving Spaceが活用され、人々は”多機能移動空間”というコンセプトに面白さを感じ、そのサービスを楽しんでいます。

深圳(左2枚)と貴陽(右2枚)の「移動型カフェ」の様子
画像出展:RED

Moving Spaceのカスタマイズはアイデア次第!

Moving Spaceはアイデア次第でどのようなスペースにも変身できます。例えば、移動型スーパー、移動型オフィス、移動型アート展、移動型アパレルショップなど、、これまでは人がその場所に足を運んで受けていたサービスが、今後はサービスが人のところへやってくる、という風になるかもしれません。
私だったら、ヘアサロンや美容医療などのサービスが移動してきてくれたら嬉しいです!
みなさん何か面白いアイデアは思いつきましたか?

画像出展:PIXサービス紹介資料抜粋

現時点ではMoving Spaceが走行可能なエリアは自動運転実験道路や師範区など、限定的なようですが、今後は政府への申請も進み、そのエリアは拡大していくそうです。未来の中国では、”移動型〇〇”が当たり前に道路を走っている時代がくると思います。

また、Moving Spaceはレンタル・買取どちらも可能で、レンタルの場合は数週間〜12カ月間の契約となり、ミニマムで数万元〜という費用感になるそうです。本当に自動運転で街中を移動できるようになれば、3週間街を移動し続けるだけでもたくさんの人の目に触れる、かつサービスも提供できるとなれば、オフラインの広告費としてはコスパが良いのではないかと思いました。

まとめ

今回Moving Spaceについて色々と知って、”多機能移動空間”というコンセプトに私も面白さを感じました。中国はこういった技術の発達スピードも速いですし、そこから生まれる新しいサービスに対しても導入までのスピード感が圧倒的な国だと思います。今後数年でMoving Spaceがどこまで存在感を発揮してくるのか、より多くのブランド・サービスがMoving Spaceを活用し、これまでになかった体験を提供してくれる日が楽しみです。
もちろん、balconiaでMoving Spaceを活用したイベントやキャンペーンなどの企画もできますので、気になった方はお気軽にご相談ください。