中国の最新レトロブーム!懐かしのデジカメがトレンドに
日本で「昭和レトロブーム」や「平成レトロブーム」などが流行しましたが、中国においてもレトロブームの傾向は近年人気が高まっており、多くの消費者が昔を懐かしむような要素や商品に魅力を感じています。2024年3月に天猫が発表した《2024年度天猫消费趋势报告(2024年度天猫消費トレンドまとめ)》によると、衣料品カテゴリーにおける「レトロ」キーワード検索の流通取引総額は前年比730%増加しました。
REDにおいても「レトロ」と検索するとレトロな装飾、レトロな服装を紹介する投稿がたくさんヒットします。
私の周りでも、上海のヴィンテージ専門店や古着屋巡りをしている友達や、レトロ風の写真が撮れる写真館に行っている友達などをよく見かけます。
ヴィンテージ市場は数年前から流行し始めていたのですが、最近では「复古集市(ヴィンテージマーケット)」など、気軽にレトロ感を味わえるイベントが頻繁に開催されるようになりました。
時代ごとに繰り返されるレトロブームですが、最近のレトロブームのトレンドとしてREDの2024年人気投稿のうち多く見かけた「ccd相机(コンパクトデジタルカメラ)」が挙げられます。
今回は、コンパクトデジタルカメラブームについて紹介して行きたいと思います。
レトロブーム最新トレンド:コンパクトデジタルカメラ
近年のレトロブームにより、数年前から日本ではフィルムカメラやチェキなどレトロな写りが撮れるカメラの人気が上昇しました。そして最近ではこれらインスタントカメラに加え、コンパクトデジタルカメラが新たなトレンドとして流行しています。
REDでは、「ccd 相机(小型デジカメ)」に関する記事は140万以上を超え、1万以上いいねを獲得している人気記事が多くみられます。
CIPA(一般社団法人カメラ映像機器工業会)がCP+CAMERA & PHOTO IMAGING SHOW 2024に行ったCIPAデジタルマーケット・セミナーの内容によると、2023年中国向けのデジタルカメラの出荷数は124.7%増加しました。
京東(中国大手ECサイト)が発表した統計によると、2022年の上半期における中古デジタルカメラの売上は同年比15倍にも渡り、その中でもZ世代の購入数は同年比20倍にも増加しました。
中国ではデジタルカメラの生産はすでに停止しており、市場にはとても限られた数しか出回っておりません。そのため、人気商品の価格は2000年ごろに比べ10倍に膨らんでいるといわれています。
コンパクトデジタルカメラブームが起こったきっかけとして、中国で人気の芸能人がSNSで自身のコンパクトデジタルカメラで撮影した写真を投稿し、その写真がレトロで可愛いと話題になったことが挙げられます。
コンパクトデジタルカメラは、スマホや一眼レフカメラなどとは違い、粗い画質によりアナログ感を味わうことができ、レトロでエモい写真が気軽に撮れることが人気が出た主な原因だと考えられます。
また、フィルムを買い替えなくてはいけないチェキやフィルムカメラとは違い、撮れる写真数の制限がないことも人気が出た原因の一つだと思われます。
中国市場では、中古のコンパクトデジタルカメラを扱う専門店が増え、若者を中心とした消費者が自分好みの写りのコンパクトデジタルカメラを探しに訪れています。天猫などのECサイト上でもコンパクトデジタルカメラが多く流通しています。
まとめ
中国におけるレトロブームは日本市場にも影響を与えています。今回紹介したコンパクトデジタルカメラは、中国に比べ日本の方が安く販売されており、また品質も良いことから中国観光客に人気です。REDでは、日本にある中古カメラ専門店を紹介する記事も見かけます。
またコンパクトデジタルカメラ以外にも、中国観光客による日本の古着への人気も増加しています。REDの投稿からも、日本の古着店舗のまとめ投稿や、日本購入品として古着を紹介している投稿を多く見かけます。
これからはデジタルカメラや古着以外にも、中国レトロブームの先駆けとして、日本の昭和や平成を代表する他の商品が流行するかもしれません。