サイクリング初心者からサイクリングにハマるまで、どんな経験をしたのか?
最近、通勤用にロードバイクを購入しました。浦東の自宅から浦西の会社まで片道12kmあり、川を渡るのにフェリーに乗らなければなりません。同僚に「何かあったの?大丈夫か?」と聞かれました。
実は、2年前の私はサイクリングに対して何もわかっていませんでした。なぜこの人たちはスーパーマンよりもタイトな服を身にまとい、背中を丸めて同じ動作を繰り返し、ただ車線を走り続けているのだろうと不思議でした。車に乗った方がずっと速いし、安全で快適なのになあと思っていました。ところが今の自分は、2年前とは打って変わって、かつて理解不能だったその人たちに一歩一歩近づき、そして、その一員になりつつあります。
ここ数年間で、一体何が起きたのか?
まず、市場の変化です。『2024年自転車業界簡析報告』によると、中国は世界最大の自転車生産および消費大国であり、自転車の保有台数は約4億台に達し、依然として世界で自転車保有台数が最も多い国です。中国の自転車の市場規模は258.23億ドル(約80億米ドル、200億ユーロ)に達し、安定した成長を続けています。
自転車に多くのお金を費やすユーザーは主に26〜35歳と36〜45歳の二つの年齢層に集中しています。データによると、2023年1〜8月の間、この二つの年齢層のユーザーによる自転車関連商品の取引額はそれぞれ36.6%と27.2%を占めています。現在、中国の自転車愛好者は約600万人に達しており、国民の自転車に対する意識が変化するにつれて、将来、サイクリングはさらに普及するでしょう。
次に、中国政府は近年、サイクリングを推進するために様々な政策や措置を講じてきました。その中でも、私が最も便利で興味深いと思ったのは、多くの都市で独自に整備された特色あるサイクリンググリーンウェイです。
最も有名なのは成都の環城生態公園グリーンウェイ(通称:天府绿道)で、全長約100km、中国で最も長い都市環城グリーンウェイの一つです。このグリーンウェイは成都の環状高速道路に沿って建設され、121個の特色ある生態公園を結び、豊かな自然景観と都市風景が楽しめます。
私が最もよく使うのは上海市浦東にある全長約24kmの濱江グリーンウェイです。このグリーンウェイは一貫したサイクリング体験を楽しめるだけでなく(チェックポイントや休憩所など)、沿道の景色も美しく、上海の都市の活力と自然の風景を体験するのに最適なルートです。
また、REDの影響力も無視できません。昨年、REDが発表した『2023アウトドアライフスタイルトレンド報告』によると、サイクリング、ハイキング、キャンプ等のアウトドア・アクティビティはますます多くの人々の新しいライフスタイルになりつつあると述べています。そのうち、サイクリング関連の投稿数と閲覧数の増加が顕著で、2023年1月から10月にかけて、REDユーザーが積極的に共有した「サイクリング」関連の投稿数は約400%増加し、投稿数は180万件を超え、最も凄まじい成長を見せているアウトドアの下位カテゴリーになりました。
REDは「Go Wild Festival」など様々なサイクリングイベントを主催、推進することによって、アウトドア・アクティビティの知名度と参加率を高め、サイクリングの投票イベントは年間アウトドアランキングのトップに輝きました。
実は、私も昨年からREDのビッグデータアルゴリズムによって何度もすすめられ、サイクリングに対する見方が徐々に変わったのです。環境保護、社交性、フィットネスなどといった要素を持つ自転車が、フィットネスツールおよびソーシャル・カレンシーとして成長しつつあると感じています。
サイクリング装備選びにおける心の変化
ソーシャルプラットフォームのビッグデータの影響を受け、身の回りの物事に視線を向けるようになりました。街を歩いていると、サイクリングしている人たちに心を引かれ、若い人を見ていると「今の若者は本当に運動意識が高いなあ」と感心したり、中年を見ていると「町中活力に満ちた中年がたくさんいるんだな」と思ったりします。
いつの間にか、自分もサイクリングの世界に入り込み、サイクリストのように自転車は何色にしようか、サイクルウェアやバッグの色合わせをどうしようか、どんな道を走ろうか、どんな街並みに溶け込もうかなど、計画を立てようとしていました。そして、サイクリング装備を購入すると決心をした際には、頭の中で既に明確なイメージを持っていたので、初心者、レジャー、通勤、ルックスなどといった検索キーワードの精度も高く、すぐにヒットしました。REDはこのようなコンテンツがとても豊富です。
一通り検索、比較、分析した後、私は2つのブランドに絞りました。一つはデカトロン、もう一つは中国の国産ブランドである喜徳盛(XDS)です。理由はとてもシンプルです。外観と予算が自分に合っていること、実店舗が家の近くにあることの2つです。未知の分野であるため、オンラインではなく、プロの方と対面のコミュニケーションを望んでいたからです。
同じ日に、この2ブランドの実店舗に足を運び、試乗してみたところ、最終的に喜徳盛に決めました。その理由は3つあります:
1、店内の環境。デカトロンは商品数が多く、お客さんも多かったので店内は非常に混雑していました。試乗中は他の人にぶつかることを懸念していたため、体験はあまりよくなかったのです。一方で、喜徳盛の店舗は道路沿いにあり、店の外の道路で試乗できたので、良い買い物体験ができました。
2、お店のサービス。デカトロンはお客さんが多く、手が空いているスタッフはほとんど見当たらず、商品について色々聞きたいのに対応してもらえませんでした。喜徳盛では1対1でスタッフが対応してくれました。どんな些細な質問でも丁寧に回答してくれたので、初心者にとっては効率的で安心できるサービスでした。
3、プロモーション。その日はちょうど618イベントの終わり頃だったので、一定金額以上の商品を購入すると関連付属品をもらえる特典プレゼントキャンペーンがありました。付属品(ライト、ロックなど)は高価なものではないのですが、自転車を購入してすぐに使えるので嬉しいものばかりです。このような期間限定のキャンペーンは「損失回避の心理」の働きかけとなり、私はその場で購入を即決めました。残念ながら、デカトロンには購入を促すようなキャンペーンはありませんでした。
以上がサイクリングスポーツに関する個人的な体験と感想です。今は「ビッグデータ」と「オフライン体験」を重視する時代であり、今回の体験談は物事や商品に対して、「無関心」から「興味を持つ」、「熱中」、そして「初心者の仲間入り」などといった一連のプロセスを代表するものかもしれません。少しでもご参考になれば幸いです。
最後に
装備を揃えた私はヘルメットをかぶり、サングラスをかけ、手袋をすると、瞬時サイクリングの儀式感を感じることができました。自信も高まり、プロになった気分でした。都市のグリーンウェイを走っていると、風を切る音が車速をナビゲートしてくれます。そして、時速20km/hの風に包まれた瞬間、サイクリングの魅力を実感できただけでなく、これは人間が自然と触れ合うもう一つの方法なのだなと腑に落ちました。
つまり、最初に理解できなかったというのは単なる認識不足だけで、サイクリング中に放出されるドーパミンとサイクリング後に放出されるエンドルフィンは、体でリアルに感じてこそわかるものです。一歩を踏み出して体験してみれば、案外すっかりハマってしまうかもしれません。