私はオンラインで電子小豚を育てています(後編)
みなさん、こんにちは!またまた私、Evelynです。前回ご紹介しました電子小豚のこと、覚えていますか?今日もオンラインで小豚を育てています!
前回、現代の主流である美的感覚が電子小豚の誕生につながったというお話をしましたが、まさにダイエットのニーズがある限り、電子小豚たちはますます「成長」していきます。では、電子小豚がこれまで大量に「出荷」される背後には、どのような産業チェーンがあるのでしょうか?今回はもう少し深掘りして、探ってみましょう。
なぜ電子小豚が大量に「出荷」されるのか
電子小豚は、ユーザーのニーズによって生まれた一種の歪んだ市場だといえます。その誕生は偶然かもしれませんが、敏感な人はそこに潜むビジネスチャンスをうまく見つけたのです。市場が形成されてから間もなく、比較的完成した産業チェーンが出来上がり、動画の形式や細分化が進むとともに、電子小豚たちの「出荷量」も大幅に増加しました。
この類の動画をよく見て見ると、同じようなパターンやテンプレートを使っていることがわかります。たとえば、ほとんどの動画は「ダイエット」をテーマにしたシナリオを使っており、「ダイエットしなきゃ」と言っておきながら、夜になると誘惑に負けて結局はデリバリーを頼んで食べる、といったものです。また、BGMも同じ曲が使われ、特に汪蘇瀧※の「一笑傾城」が頻繁に使用されています。この曲はあまりにも頻用されているため、電子小豚たちの収益の一部を汪蘇瀧に分配すべきだとコメントするネットユーザーもいるほどです。それから、同じAI音声を使っていることも多くあります。動画の要素を見れば、単なる模倣動画もありますが、そのほとんどはMCN(マルチチャネルネットワーク)会社によって作られています。大量に「出荷」される電子小豚たちが増えるにつれて、ユーザーの選択肢も増えるので、その結果、動画の視聴回数も増加しています。
※汪蘇瀧:中国本土で人気の男性シンガーソングライター
また、細分化においても電子小豚たちはそれぞれ個性を発揮するだけでなく、キャラクター設定や「ダイエット」と「暴食」を繰り返すシナリオの構成もそれぞれ異なります。
この他にも、減量キャンプに参加したものの、こっそり食べ続けたためダイエット効果がマイナスになる「前功尽棄(努力が水の泡になる)」シナリオや、ダイエットしたいのに家族が「体に悪い」と心配して毎日美味しいものを作ってくれるおかげで、ダイエットどころか逆にどんどん太ってしまう「家族に可愛がられる」シナリオ、さらには、恋愛をきっかけにダイエットを始めたにもかかわらず、失恋で暴飲暴食を続けた結果、50kgも増量してしまったという「恋愛依存」シナリオなどもあり、世界の多様性に驚かされます。このように、単なる食事シーンだけでなく、シナリオが存在することで動画の視聴価値が増し、ユーザーの粘着度も高くなります。食欲抑制の効果をもたらすと同時に、電子小豚たちの「今後の物語の展開」に期待することも、動画や配信者の成長可能性に大きな影響を与えているのです。
電子小豚たちの危険な競争
このような歪んだ産業の台頭は、多額のお金と膨大な流量をもたらし、後期追随者も次々と現れています。お金が集まる場所には必ず激しい競争が伴うので、電子小豚たちは競争の中で際立つために、ますます過激な「パフォーマンス」を披露します。この産業はまるで火に油を注ぐかのように盛り上がっていますが、その華やかさの裏には大きな危険が潜んでいます。
電子小豚たちはユーザーの注目を集めるために、意図的に高カロリーで不健康な食事をして、体重を増やそうとします。中には、配信動画で大きな容器に入った食用油をそのまま飲み込むといった過激な行為で注目を集めている人もいます。電子小豚の多くは、重度な肥満によって高血糖、高脂血症、高血圧といったさまざまな健康問題を抱えており、さらには合併症による顔面麻痺や脳卒中を患う人もいます。しかし、お金と流量の誘惑に負け、十分な教育を受けていない彼らにとっては、「食べる」という単純な行為で、他の人が苦労して手に入れたものを簡単に手に入れられるので、非常に「お得だ」と感じるのでしょう。健康や命を犠牲にしてでも、電子小豚たちはますます過激になり、その危険な行為はあまりにもひどく、見ている人は呆気にとられて言葉も出ません。
今日の主流である美的感覚や流行のトレンドが大きく変わらない限り、電子小豚たちの「出荷」は今後も増え続けるでしょう。今後、彼らがより過激な新型電子ペットへと進化するのか、それとも完全に姿を消してしまうのかは、供給と需要のバランスが崩れるかどうか次第です。
いちユーザーとして、私が気にかかっているのは、今日も豚足姉が何キロ太ったのか、そして中毒性のあるストーリーがどこまで進んだのかといったことであり、業界やその裏にある動向を深く掘り下げることではありません。まさに私のような「脳なし」ユーザーがいるからこそ、この産業はますます繁栄しているのです。娯楽が優先されるこの世界で、電子小豚たちはその一握りの砂に過ぎません。しかし、こうした新興産業の裏側を探ることで、他の仕事に役立つ何かしらのヒントが得られるかもしれませんね。
「流量が一番」の時代において、さまざまな歪んだ産業が生み出されていますが、ショート動画サイトに登場する奇妙なコンテンツが完全に消えることはないでしょう。ショート動画サイトの健全なエコシステムをどのように維持できるか、未だに解決策が見つかっていません。ニーズがある限り、新しい市場が次々と生まれるものです。次の流行にどんな新しいビジネスチャンスが潜んでいるのでしょうか。読者の皆さん、引き続きフォローをお願いします。何かしらのヒントになるかもしれませんので、ご参考になれば幸いです。
皆さん、いかがでしたでしょうか?電子小豚について少し興味が湧いたのではないでしょうか?今日はこの辺にして、私も引き続き電子小豚を育てに行ってまいります!