2025.02.12

アラフォー男性のスポーツに関する消費行動の観察

私は日頃から運動する習慣があるアラフォー男性です。周りの友人たちもさまざまなスポーツに取り組んでおり、スポーツの種類や消費習慣も多様で、人によって異なることに気づきました。本記事では、観察を通して、アラフォー男性のスポーツ消費行動の分類及びその特徴について簡単にご紹介したいと思います。

スポーツはすべての人々の生活に密接に関わり、特にアラフォー男性にとって大きな意味を持っていると感じています。スポーツには社交や感情的な価値があります。アラフォー男性が仕事やビジネスの場で交流する際、個人的な話題を共有するほど親しくない場合や、相手の立場が分からず時事問題の話ができない場合があります。そのような状況で天気の話ばかりでは中身がないように感じられるため、アイスブレイクとして非常に効果的なのがスポーツの話題ではないでしょうか。

家庭内においても、アラフォーの男性は子どもの成長を支える立場として、あるいは子どもと楽しい時間を過ごす手段として、子どものスポーツ活動に多くの時間やエネルギー、費用を費やしているようです。

また、仕事や家庭の役割を果たす以外にも、自分自身がスポーツを観戦したり、参加したりすることで、ストレスを解消しリフレッシュすることができるでしょう。スポーツは、健康的な生活の基盤であるだけでなく、社交や家族の絆を深めたり、自己を高めるための重要な手段でもあります。

アラフォー男性のスポーツ消費行動は、大きく以下の5つのカテゴリーに分けることができます。

1、観戦消費
スポーツイベントの現地観戦やオンライン視聴に費やす費用。

2、参加型消費
スポーツ用品の購入や施設利用料など、実際にスポーツを行うための費用。

3、スポーツテーマ関連消費
ファングッズの購入、チームテーマ館の利用、スポーツを目的とした旅行など。

4、専門サービス消費
トレーニングや指導を受けるための費用。

5、スポーツ関連ゲーム
スポーツをテーマにしたゲームに費やす費用。

筆者の観察及びインターネット上の情報、データによれば、アラフォー男性のスポーツ消費において、トップは参加型消費、次にスポーツテーマ関連消費、観戦消費、専門サービス消費、そしてスポーツ関連ゲームとなっています。

一、スポーツ観戦にかかる費用

スポーツ観戦にかかる費用は、現地での観戦とオンライン視聴の2種類に分けられます。現地観戦の例を挙げ、初歩的な分析をしてみましょう。例えば、中国サッカー・スーパーリーグ(2023-2024シーズン)では、総観客数が466万人に達しました。

データソース:ネット友統計

観戦人数が最も多いスタジアムでは、平均観客数が4万~5万人に達し、これは全人口の約0.2%に相当します。試合の対戦相手のレベルに応じてチケット価格が変動しますが、一般的な価格帯は200元、300元、400元の3つの段階があります。

次に、人気が高い卓球の例を挙げると、国際大会や中国国内のクラブスーパーリーグがあります。会場の収容人数に制限があるため、観客数は通常3,000~6,000人程度にとどまり、チケット価格は350元、500元、600元以上の3種類となっています。

アラフォー男性ユーザーが占める観戦割合に関する具体的なデータは得られていませんが、観察やインターネット上の情報によると、一部のアラフォー男性は年間2~5回の試合を観戦し、観戦費用として約1,000元費やしており、個人で観戦に行く場合もあれば、子どもを連れて行く場合も多いようです。

観戦プラットフォームでは、有線テレビが一般的な有料オプションとして利用されており、ネット動画プラットフォームでは特定のサービスを選んで視聴権を購入する人が多いようです。また、無料のショート動画プラットフォームで試合のハイライトを見る人もいます。

昔なら有線テレビの主な強みは「三大球」(バスケットボール、サッカー、バレーボール)の放映権でしたが、今有線テレビでの視聴は主に週末に集中しています。一方、ネット動画プラットフォームは、それぞれ異なる特徴を持っています。

腾讯(テンセント)の強みはNBAであり、咪咕(ミグ)はヨーロッパ全てのサッカーリーグを視聴できるだけでなく、NBAも放映されています。爱奇芸体育(アイチーイー体育)は欧州チャンピオンズリーグ(UCL)の独占放映権を持っています。

40歳以上の男性のNBA観戦への関心が低下するにつれて、腾讯(テンセント)スポーツの有料会員を購入する割合もそれほど高くありません。公開されている腾讯スポーツのデータによれば、有料・無料に関わらず40歳以上の男性視聴者は全体の約10%程度にとどまっているとのことです。

一方で、咪咕(ミグ) のサッカー関連の有料視聴サービスは人気を集めています。一部のアラフォー男性は、年間388元の「サッカー通」プランを購入して視聴しています。

爱奇芸体育(アイチーイー体育) は、欧州チャンピオンズリーグ(UCL)の独占放映権を持っており、318元のサッカー会員プランがユーザーに人気です。

二、参加型消費

参加型消費には、スポーツ用品の購入費用及び施設利用費用が含まれます。では、最も参加率の高球技スポーツについて、大球競技と小球競技に分けて詳しく見ていきます。

サッカー、バスケットボール、バレーボールといった大球競技では、男性は通常、基本装備として服装とシューズを2セット程度購入します。服装に比べてシューズに多くのお金を使う傾向があります。筆者がソーシャルメディア上でのスポーツ愛好者の投稿内容や自身が参加しているバスケットボール、サッカーチームの仲間を観察したところ、シューズや服装の買い替え頻度は通常1~2年ごとに1,000元程度のようです。施設利用費において、バスケットボールは1人で手軽にプレイできるため、長期的に続けやすいスポーツです。通常、週あたり20~50元程度の施設利用費がかかります。有料施設で行うサッカーやバレーボールの場合、チームでコートを共同でレンタルし、利用費を分担するのが一般的です。1人あたりの負担額は週あたり30~60元程度ですが、一部の都市では無料で利用可能なサッカー場もあります。

小球競技の特徴として、ラケットの使用状況に応じてアップグレードする場合費用がかかります。ラケットは消耗品なので破損や素材の劣化は避けられません。そのため、初心者はまず中低価格帯のラケットを購入し、レベルの向上に伴い高性能なラケットへとアップグレードするのが一般的です。筆者がソーシャルメディアや観察、オンラインショッピングプラットフォームの販売数を調査した結果、卓球ラケットの購入価格は約100~200元、バドミントンラケットは200~500元程度が主流となっています。また、卓球やバドミントンの施設利用料は、週あたり約50元程度かかります。

このように、定期的に球技を行う場合、バスケットボールは月に100元程度で比較的安価ですが、卓球やバドミントンなどの他の球技は、月に約200元の施設利用料がかかります。

ビリヤードに関していうと、アラフォー男性のスポーツの選択肢から徐々に外れてきています。

多くの球技は、高価な装備が必ずしも競技レベルの向上につながるわけではないという点が特徴です。しかし、近年人気が高まっているサイクリングは、器材への依存度が高いスポーツです。一定の消費力があるアラフォー男性は、高価な自転車を購入する傾向があります。例えば、カーボンフレームやフルカーボン製の自転車は、1万元程度の価格帯が一般的です。一部のアラフォー男性はこのような高級自転車を購入し、快適なライディング体験やより速いスピードを楽しんでいます。ヘルメット、グローブ、水筒、サイクリングウェアなどといったアクセサリー、ケア用品には数百元、スピード向上やシステマティックなトレーニングに1,000元以上もするデジタル速度計を購入する人もいます。

また、身体的接触が少なく、多くの人が参加しやすいジョギングを取り入れるアラフォー男性も増えています。ジョギングにおいて最も重要なのはランニングシューズです。耐久性の高いシューズに毎年300~600元をかけています。競技用シューズを購入する場合、1足1,000元以上かかります。これらのシューズには柔らかく弾力性に優れた素材が使われていますが、摩耗しやすい点も特徴です。ジョギングの場合、シューズ以外に必要な費用がほとんどかからないため、比較的コストパフォーマンスの高いスポーツだといえます。

このほか、夏に週1~2回、または年間を通して水泳を続けているアラフォー男性もいます。水泳にかかる費用は1回あたり約30元程度です。

さらに、多くのアラフォー男性は30代からフィットネスを習慣化しており、ジムの年間会費は通常3,000~5,000元程度です。

三、スポーツテーマ関連消費

次は、スポーツテーマ関連の消費について見ていきます。このカテゴリーには、ファングッズの購入や特定のスポーツを目的とした交通費、施設利用費、スポーツ関連の活動費が含まれます。

ファン層とは、特定の「クラブ」や選手を熱烈に応援する人々を指します。アラフォー男性は主にお気に入りのチームのユニフォームを購入したりします。当年度の大会に合わせた新作や、懐かしさを感じさせる復刻デザインが人気です。通常、毎年1~2着購入することが多く、費用は400元から2,000元までと幅広い価格帯です。

テーマ施設における消費に関しては、国内におけるスポーツクラブ文化の発展の歴史がまだ浅いため、現在国内には限られた数の海外プロ協会やクラブをテーマにした施設しかありません。例えば、NBAのテーマパークでは、主な利用者層は若いNBAファンやそのチーム・選手のファンですが、親子連れやバスケットボール初心者も訪れています。1回あたりの消費額は約300元ですが、訪れる頻度はそれほど高くないようです。

サッカー分野では、マンチェスター・ユナイテッドのテーマ施設がその代表例です。このクラブのファン層には、90年代から試合を観てチームを応援してきたアラフォー男性が多く見受けられます。施設ではチームの本拠地の雰囲気を再現した展示や体感型インタラクティブゲーム、テーマレストラン、子ども向けユニフォームなどを提供しています。見学と食事合わせて1回あたりの費用は200~500元程度です。

ロケーション型スポーツ、レーシングカートに関しては、子供を連れて訪れるアラフォー男性もいますが、利用頻度が低いようです。1回あたりの費用は約300元です。

また、サーフィン、ダイビング、スキーといったスポーツはショートトリップが必要で、移動や旅費等含めた1回あたりの費用はおおよそ6,000~8,000元かかる見込みです。

四、専門サービス消費

コース受講などといった専門サービスの利用において、アラフォー男性の消費は少ない傾向があります。基本的には、新たに挑戦しようと計画しているスポーツやサポートが必要なもの、あるいは一定の危険性を伴うスポーツに限り費用が発生します。一方で、球技、ランニング、自転車などといったスポーツは、このような費用がほとんど発生しません。

代表的な例としてボクシングがあります。初心者同士の場合、ボクシンググローブを購入して練習を始めたとしても、その本質を理解ためにはボクシングコーチの指導が必要となります。その場合、コーチの平均費用は1回あたり約500~800元で、月に2~4回程度受講するが一般的です。

また、一部のアラフォー男性、特に既婚者及び独身者の中には、年間1~2回スキーを楽しむ人もいます。スキーコーチの費用は1回あたり500~2000元となっています。フィットネスの場合、30代から始めるユーザーが多く、入門時にトレーナーを雇って基礎から学ぶのが一般的ですが、40代に入るとそのようなケースは減少傾向にあります。

このほか、アラフォー男性の子ども向けのスポーツコースもあります。球技は子どもに学ばせたいスポーツとして最も人気です。その理由として、自宅近くに施設があり、通いやすいこと、各学校で球技大会が頻繁に行われており、パフォーマンスを発揮する機会が多いことが挙げられます。球技コースには、週末コース、夏休みや冬休み期間中の短期集中コースの2種類があり、年間費用は、通常7,000~10,000元となっています。また、スケートボード、ローラースケート、フェンシング、馬術などのスポーツに関しては、参加者数が相対的に少ないようです。

五、スポーツ関連ゲーム

アラフォー男性はゲームに費やす時間が少ないため、出費も比較的少ないです。スポーツ系ゲームでは、主に球技ゲームやレーシングゲームが中心です。1ゲームを購入するユーザーもいますが、価格はおおよそ200~400元程度です。

最後に、ごく少数ではありますが、40代からゴルフを始める人もいます。これは、ビジネスコミュニケーションが目的である場合と収入の増加に伴うスポーツ嗜好の変化として始めるケースが見受けられます。ゴルフは出費が大きいスポーツの一つです
参加型消費の場合、ゴルフクラブの購入費用には、必要最低限のクラブでも数千元、フルセットなら数万元に達します。練習場の利用料は1回あたり数百元程度、ゴルフコース全ラウンドのレンタル料は1回約1,500~2,000元、キャディの利用費は1回約200元かかります。
専門サービスを利用する場合、ゴルフコーチの費用は1回あたり400~600元かかります。テーマ消費の場合、異なるコースでのプレーを楽しむために旅費も発生しますので、1回あたり数千元かかります。観戦消費の場合ゴルフトーナメントの観戦費用は数百元から数千元と幅広い価格帯です。これらの出費を合計すると、ゴルフにかかる年間費用は数万元以上になるのが一般的です。

いかがでしたでしょうか。アラフォー男性のスポーツ消費習慣に関する観察と分類について、簡単にご紹介させていただきました。最後までお読みいただき、ありがとうございます。