2025.03.28

2025年「3・15」消費者権利保護デーで取り上げられたのは?

写真出典:生放送スクリーンショット

2025年3月15日、中国中央広播電視総台(中央放送テレビ総局)が主催する第35回「3・15」消費者権利保護デー特集番組が配信されました。今年の「3・15」特集番組は「共铸诚信 提振消费(共に誠実を築き、消費を促進する)」というテーマのもと、食品安全、公共安全、金融安全、データ安全などの分野に焦点が当てられました。

この記事では速報として、紹介された事例をいくつかピックアップし、簡単にまとめてレポートします。

廃棄された生理用ナプキン・紙おむつが市場に流通

写真出典:生放送スクリーンショット

梁山希希紙製品会社は、「廃品回収」を名目に、国内の有名な生理用ナプキンや子供用紙おむつメーカーから大量の生産廃棄物を購入していました。これらの廃棄物は、製造ラインで排除された不良品やその他の廃棄物であり、非常に不衛生なもので、本来の生産基準では、”不良品は粉砕して処理する必要がある”が、この会社は大手メーカーの関係者に賄賂を渡し、大量の未粉砕の不良品を1トンあたり数百元から1,000元以上の価格で購入していただけではなく、外観の良い不良品を選別し、1トンあたり数千元で市場に再販していたことが判明しました。

さらに、再販できない「ゴミ」に関しては、粉砕して木材パルプや吸水ポリマーなどの原料を取り出し、使い捨て衛生用品メーカーに販売していました。国家規定では、使い捨て衛生用品にリサイクル原料を使用することは禁止されており、不正に利益を得ていました。

家庭修理サービス「啄木鳥」の詐欺行為

写真出典:生放送スクリーンショット

「啄木鳥家庭修理」は中国最大の家電修理プラットフォームですが、消費者からは「不必要な修理だ」「軽微な故障を大げさに修理している」「不透明な料金だ」など多くの批判が寄せられています。調査によると、このプラットフォームの新人研修はほぼ実務に役立つ内容は教えられず、わずか3日間の研修で業務に就ける状態でした。その上、研修内容は「どのように消費者を騙すか」に重点が置かれていたのです。実際の業務では、上司から「顧客単価を最大化するように」と指示されており、修理師は報酬を得るために不必要な修理を強要していました。さらに、プラットフォームの手数料は修理費の50%以上を占め、修理師たちはやむを得ず消費者を騙す手口を使うしかなかったのです。

海産物の違法な水増し販売

写真出典:生放送スクリーンショット

湛江中青海洋水産有限公司、宝輝水産有限公司、尚方舟食品有限公司、良基冷凍食品有限公司は、不正に利益を得るために、本来は食感を改善し水分を保持するための保水剤(リン酸塩)を不正に使用し、エビの重量を増やしていました。さらに、氷の膜を厚くする手口も使い、最大で70%の氷衣を付着させ、増量していました。その結果、500gのエビは解凍後にはわずか150gしか残らない状況だったのです。連雲港鮮知肴食品、連雲港漁趣多食品有限公司の関係者によると、「保水剤の成分を包装に記載する必要はない。なぜなら消費者は保水剤が何かを理解していないからだ」と公言しており、消費者の安全を無視した悪質な量増が行われていました。

その他にも以下内容が取り上げられました。

虚偽表示された使い捨て下着の流通

● 使い捨て下着のパッケージに「エチレンオキサイド消毒済み」「無菌」と虚偽表示。
● 実際には消毒処理を行っていない製品が流通。
● 年間数千万枚規模で未消毒の製品が販売。

高利貸しを助長する電子契約プラットフォーム

● 高利貸業者が法的効力のある電子契約を利用し、借金を合法化。
● 実際の貸付金額をプラットフォームが監督せず、高額な「前払い利息」や「延滞手数料」を徴収。
● 借金の取り立てが過酷で、債務者が法的救済を求めても貸し手の情報が不明確で連絡が取れない。
● 偽アカウント利用: 死亡者の身分証情報を用いて貸し手アカウントを作成。

違法な個人情報収集と不正マーケティング

● ユーザーのウェブ閲覧履歴やアプリの使用履歴を違法に収集。
● 収集した個人情報を「見込み客リスト」として販売。
● ユーザーは迷惑電話の標的となる。

詐欺的なオンライン抽選

● 豪華な景品を餌にユーザーを誘導。
● 当選者には本来の景品ではなく、価値の低い商品を提供。
● 消費者が法的手段を講じようとしても、運営者の情報が曖昧で追及困難。

「非標線」=粗悪な電線 の流通

● 「非標線」(国の規格に適合しない電線)を「国標線」として販売。
● 見た目は正規品と変わらず、偽の認証書を付与。
● 低品質な銅芯や耐熱性能を削減した偽造品を流通。

まとめ

以上、今回の「3・15」特集の速報レポートでした。

私自身、中国国産商品のクオリティはどんどん向上していると感じていますし、いいものを国産で作って消費しようという傾向がある中で、今回のような衛生面や安全面での不正は少し怖いなと感じました。

企業側の誠実な対応はもちろんですが、私たち消費者側も慎重に判断していく必要があるのではないでしょうか。

このような取り締まりや監査が継続して実施され、企業側に緊張感を感じさせ、消費者の安全を脅かす不正が少しでも減っていくことを期待します。

参考出展:
https://news.cctv.com/2025/03/16/ARTIjDYgnI7KZjHHO02mY3uX250316.shtml
生放送アーカイブ:
https://tv.cctv.com/2025/03/15/VIDEVvHrOCTeWbuYYHKd9beZ250315.shtml