2019.08.08

中国で独自の進化を遂げるエンタメ「マーダーミステリー」

上海にはスリープノーモアをはじめ、世界的なエンタメが実はたくさんあります。近年中国全体で「网红(ここではネット写真映えの意味)」「沉浸(Chénjìn、没入型の意味)」が主流で、ここ1年はエンタメ業界の方がよく視察に来中されるほどです。
その中でも中国で発展を遂げた「マーダーミステリー(谋杀之迷/剧本杀)」をご紹介します。

マーダーミステリーとは

参加者全員に台本や役割が与えられ、その台本に沿って役柄を演じながら犯人を捜していくゲームです。一言で言えばコナンや金田一のシナリオを実際に何人かでやって、コナン君や金田一以外のキャラも一緒に犯人を捜すゲーム、というのが一番近いかもしれません。

https://www.osf.com/about/murder-mystery-dinners/より引用

発祥は19世紀前半の欧米で、ディナーパーティーゲーム/ディナーシアターとも呼ばれています。形式は様々で、ごはんを食べながらいきなり劇が始まったり、自分がその俳優になったり、脱出ゲームとセットになったものだったり。シナリオによって結構幅が広いです。
参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Murder_mystery_game

わたしが思うマーダーミステリーが面白いと思う理由は、
・劇の中で役を演じたり、実際に周りで事件が起こる没入型体験
・一度体験したシナリオは犯人を知ってしまうため二度とできない
・人狼や謎解き、脱出ゲームといった推理要素
という3つ複合しているところが、その他エンタメにはない魅力です。

中国独自の発展

中国語では謀殺之謎(Móushā zhī mí)が直訳ですが、剧本杀(直訳:殺人劇)としてのほうが有名です。

大众点评(食べログのような口コミサイト)での検索結果。マーダーミステリー店がめちゃくちゃあります。

実際どういったところが独自に進化したかというと、まずシナリオ数。
欧米等で発表されたシナリオを翻訳して流行っているだけではなく、実は遊ばれているシナリオのほとんどは中国オリジナルシナリオです。すでにネット上で販売されているものをざっと観測するだけでも400タイトル以上あります。

中国のシナリオ+部屋の内装(謎解き要素含む)+コスプレがセットになってすすむものもあれば、配役を心理テストで決定するものなど、もともとのディナーパーティーからかなり独自の進化を遂げています。

大众点评(食べログのような口コミサイト)でのマーダーミステリー店の口コミ画像。とても雰囲気があるのが伝わります。

日本で体験できるところ

中国にきて体験してほしいところなのですが、台本が中国語なので通訳が必要になるか、出来て英語プレイになってしまうかと思います。
タイトルはまだまだ少ないのですが、日本でも最近マーダーミステリーが流行ってきており、体験できる店が増えてきています。

Rabbithole ‐ マーダーミステリー専門店
マーダーミステリーゲーム、謎解き人生ゲームの【ロストプロダクトエンターテイメント】
ディアシュピール - ボードゲームカフェ

日本で開催します!

一回遊んでしまうと二度は出来ないこのゲーム。そのため、私が中国で遊んだタイトルをみなさんにも体験していただきたく、balconiaが日本語でゲームマスター(司会進行役)を務めます。会場はbalconia日本(所在地は五反田)で行うことも、みなさまのオフィスでの出張開催もできますので、人数等お気軽にご相談くださいませ!お問い合わせ先はページ下部の「联系我们」からどうぞ。

本当に中国のエンタメはスケールが大きく楽しいので、ぜひとも体験してみてくださいね。

前慧