2020.11.26

データで紐解く2020年ダブル11

みなさんこんにちは。balconiaのpuppyです。

この記事では2020年のダブル11を色んなデータを使って読み解いていきたいと思います。

日本でも既に有名になっていると思いますが、11月11日は中国で「光棍節」と言われ、もともとは恋人のいない独身者の日で、独身者も生活を楽しもうということで、天猫(Tmall)は2009年に「ダブル11ネットショッピングフェスティバル」を開始、大幅割引セールを実施しました。

そして、今年で12年目を迎えたダブル11は、オンラインのみならずオフラインにおいてもプロモーションが実施され、巨大プロモーションイベントへと変貌を遂げています。販売実績データがその盛況ぶりを物語っています。

W11取引額の推移

2020年ダブル11大型セール期間(11月1日〜11日まで)のネット通販全体(B2C)売上高は8,403億元(約13兆3億円)に達し、前年比29%の増加となりました。各大手ECプラットフォーム別売上金額シェアは下記グラフの通りです。

(リソース:星图数据【2020年双十一全网销售数据复盘分析报告】)

ダブル11イベントの主催者であり、圧倒的な競争力を持つ天猫が全体の60%を占め、ダントツのトップシェアを誇ります。そして、つい最近まで「ダブル11」の商標権を巡ってアリババを訴えた京東はNo.2で、25%のシェアを占めています。

今年の販売戦略を見ると、天猫と京東は、イベントの設定期間や、プロモーション方法、集客ルート、前夜祭(ナイトショー)のタレントキャスティングからオフラインニューリテール(新小売)への布石まで、この二強は似ているところがあります。一方、蘇寧易購と拼多多は主に低価格商品とキャッシュバックやクーポン等の各種価格プロモーションを通じて集客アップを狙っています。

 

天猫TMALLの取引額のトレンド

(リソース:历年天猫官方数据汇总)

2009年、ダブル11イベントに参加したブランド数はわずか27、売上も0.5億元(約8.5億円)ほどでしたが、その後年々増加しています。今年は、コロナ禍の影響を受けたにも関わらず、ダブル11の売上高は前年比86%増を実現しています。今年のイベントでは新しい販売アイディアの取り組みを通じて、11月11日に先立ち、11月1日から3日にかけて第一回目の大幅セールが行われ、そしてメインイベントデーの11月11日に爆発的なセール2回目のピークを迎えました。天猫のビッグデータによると、今年は31,766の海外ブランドが参加し、450以上のブランドの取引額が1億元(約1兆7200 億円)を超え、210万のオフライン店舗、そして貧困地区からも38万の店舗がイベントに参加しました。また、消費金額トップ5の都市は上海、北京、杭州、深セン、広州となっています。強い購買力を持っているのは依然として経済が発展している沿岸地域であることが分かります。

イベント期間が伸びたことも影響しますが、2020年のW11期の取引高は4,982億元(約8兆円)で再び記録を更新しました。

カテゴリー別ランキング

ここからは、カテゴリー別の取引額ランキングを見ていきたいと思います。ランキングを見ていくと、中国の今のマーケットトレンドもうかがえます。(ランキングデータは全て亿邦动力のwechatオフィシャルアカウントを参照し弊社で加工したものです。いずれも2020年11/1~11/11の結果)

① コスメTOP10

化粧品に関しては、例年と同じく外資の中・高級プレステージブランドが上位を占めました。日系では資生堂がランクインしています。whooとSULWHASOOといった韓国ブランドですが、今年はライブコマースに集中投資し、他のブランドを上回る価格プロモーションを行っていた印象です。また、ハイプレステージであるLA MERがランクインしているのも中国らしいと言えます。Winonaはローカルの敏感肌用ブランドですが、ここ数年敏感肌マーケットが拡大してきていると言えます。

② 生活家電TOP10

ローカル企業が多い中、第2位にdysonがランクインしています。中国では、なんだかよく分からないけどすごいサイエンス、のことを黒科技(ブラックテクノロジー)と呼び、ここ数年のトレンドになっていますが、dysonは黒科技というイメージを強く獲得しているブランドの1つです。日系ではPanasonicが8位と健闘しています。

③ デジタルTOP10

iPhone12が登場したばかりのAppleが堂々の1位となりました。日系ではSonyが7位に入っています。

④ アパレル各種TOP10

アパレルではUniquloの強さが目立ちます。下着においても、ヒートテックは中国でも定番となっています。

⑤ 輸入ブランド

輸入品ブランドでは、日本の美容器具ブランドYA―MAN(ヤーマン)、ドイツの粉ミルクブランドAptamil、オーストラリアの保健食品ブランドSwisseがトップ3を占め、次いで日本の花王、資生堂が上位にランクインしています。

⑥ 輸入品のブランドオリジン

輸入品ブランドの中では日本ブランドがトップ、日本の商品は依然として人気No.1となっています。

⑥ 10億元突破ブランド

今年は30ブランドの取引額が10億元を超えました。一回のプロモーションでこれだけの売り上げになる、というのは改めて考えると驚きですよね。。。

⑦ 1億元突破のニューフェイス

天猫のオフィシャルデータによりますと、天猫に出典して3年未満のニューブランドのうち、16ブランドが取引額1億元を突破しています。Perfect Diary、花西子といったローカルコスメブランドを中心に、美容関連が多く見られます。

2020年の主役、ライブコマース

2020年、ダブル11の予約販売及びショッピンフェス期間中、インフルエンサーによるライブコマースの販売額は729億元(1兆9憶円)に達しました。ライブコマースの大きな盛り上がりが今年のダブル11の特徴と言えます。実際に各社ECプラットフォームは、ブランド側にダブル11期間中にライブコマースを実施することをリクエストしていました。

ダブル11期間中、「ファッション&コーディネート」をキーワードにして、薇娅Viyaは23回のライブ配信を行いました。そして第2位の李佳琪Austinは22回のライブ配信を行い、キーワードは「一緒に綺麗になろう」でした。

「綺麗になりたい」というテーマはやはりタオバオライブコマースユーザーの大きな共通点であり、ライブコマース売り上げトップ10のうち、コスメブランドが過半数を超えています。

最後に

今年のダブル11に関するデータのご報告は以上となります。

今後も様々な角度から中国市場の情報を提供していきたいと思います。「ここをもっと詳細を知りたい!」等々、気になる情報がありましたらお気軽にご連絡下さい。

puppy