2021.01.12

どれだけ知ってる?中国のマーケットカレンダー

balconia上海副総経理の川崎です。今回は、意外と知られてない?中国の祝日・記念日事情を紹介します。中国でのプロモーションやクリエイティブ作成において、実は大事になってきます。

マーケットが動く中国の主要な祝日/イベント

中国の祝日・年中行事といえば、日本のお正月にあたる春節や、爆買いが風物詩となっていた国慶節、アリババが始めたW11が有名かと思いますが、細々したものも含めると多様なイベントがあります。マーケティングに関わってくるものをピックアップして以下の表にまとめています。

おそらく馴染みのないものもあるかと思いますので補足します。

3月8日国際女性デイは、日本ではあまり知られていないかもしれませんが、中国特有というよりは国際的な記念日で、中国でも比較的重要視されています。中国のオフィスでは、この日は女性のみにお休みもしくは半休が与えられることも珍しくありません。市場の動きで言うと、美容関連を中心に、女性向け商品のプロモーションが盛んになります。なお、中国では通常38節と呼ばれます。

520デイ。これは最近ネットを中心に広がってきたものですが、520(wu er ling)が我爱你(wo ai ni)=I love youの発音に似ている、ということでカップルの日として広まって来ました。プロモーションというよりは、カップル間で(というか男性から女性に)520にまつわる金額をそのまま送ったりします。まあ、520に限らず中国の記念日は基本男性が女性に何かを送る、というものが多いですね・・・

618及び1212(W12)は1111(W11)に次ぐ大型ECプロモーション・デイで、最近はW11同様ECに限らずお買い物祭りという様相を呈してきました。618は京東が、W12はW11と同じくアリババが始めたプロモーションです。

各祝日・記念日のノリを知ろう

W11は、市場の動きに関連するというイメージがつくかと思いますが、それ以外にもマーケットが動くポイントはたくさんあります。そして、それぞれの祝日・記念日に求められる雰囲気やトンマナがあり、プロモーションを考えたり、クリエイティブ開発の上で重要となります。

たとえば春節。これは日本の年末年始を思い浮かべて頂くとイメージがつきやすいかもしれません。街中が赤色に染まり、モールでは大型プロモーションがはじまり、広告も年越しや家族団らんをテーマにしたものが増えるなど、完全にお祝いモードです。赤、金、ちょうちん、干支・・・プロモーションやクリエイティブがどこも似たり寄ったりになってくるので、奇をてらって目立とう!という欲が出て来そうですが、春節には何よりも「春節感、お祝い感」が求められるため、ブランドらしさと春節らしさのバランスをとることが非常に大切になってきます。

同時に、春節は1年を振り返る、新たに1年を開始するタイミングでもあるため、内省を喚起するものや、社会的なテーマを扱う広告も見られます。例えば、SK-Ⅱが2019年の春節に行った「Meet Me Halfway – 私たちの中間地点」キャンペーンは代表的な例です。都市部で自分のキャリアのために仕事に打ち込む女性達が、春節で実家に帰ると「結婚」を催促される、という伝統的な考えや習慣が古く残る現状を取り上げるとともに、SK-Ⅱは中国にしっかり根を張るブランドとして、そんな環境の中に生きる女性達に寄り添う姿勢を示し、多くの共感を呼びました。

(Meet Me Halfway – 私たちの中間地点:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000080.000018267.html )

その他、3月8日の国際女性デイも、女性に向けたプロモーションが盛んになると同時に、男女格差や女性の地位向上をテーマにしたプロモーションや広告が多くなるのが特徴です。

春節や女性デイに限らず、それぞれの祝日・記念日の意味を十分に理解した上で、それがブランドの理念と合致するものであれば、これらの祝日・記念日を単なるセールスではなく、ブランドのメッセージを発信する機会と捉えることも出来るでしょう。

一方で、W11や618に関しては、消費者にとって完全に「セール」という認識が強く、必死でお買い物に打ち込むために、ブランドの理念等はほとんど意識されません。「でも、ただただ流れに乗って安売りの道に進のはちょっと・・・」という声も聞こえて来そうですが、「W11でどんなプロモーションしてくれるかが消費者のことをどれくらい考えてくれてるかの判断基準」という声も少なくありません。また、W11が多くのブランドにとって露出を高め、売り上げを積むタイミングになっているのも事実です。どのようなアクションをとるかには戦略的な判断が必要になってくると言えます。

最後に

今回は中国マーケットに関わるカレンダーを一緒に見て来ました。一つ一つ細かくはご紹介出来ませんでしたので、それぞれの祝日・記念日の広告・プロモーション事例等、更に理解を深められたい方はご遠慮なくお知らせください。

中国市場を熟知するbalconiaでは、春節のクリエイティブ開発をはじめ、各シーズンプロモーションの企画においても実績がございます。日本のブランドの皆さんが中国の祝日/記念日を笑って過ごせるよう、私達も全力でお手伝いしていきたいと考えていますので、お困りの際には是非一度お声かけ頂けると嬉しいです。