2024.02.04

文化観光経済が再び人気―【若者の間で最近流行っている遊びは何か】VOL.2

出典:RED

2024年1月2日、REDはインスピレーション特集として「ライフスタイルトレンドリスト」の第二弾を発表しました。これらのインスピレーションはREDコミュニティから生まれたもので、人々が今試みている楽しいことばかりです。ユーザーに生活を豊かにするインスピレーションや新しい生活スタイルを実践するためのヒントを提案しています。

2023年12月のリストと比較すると、個人的には2024年1月のリストほどのフレッシュさはないものの、中から2つのおもしろいトレンドを見つけましたので、皆さんにご紹介したいと思います。

1、ハルビン観光が大ブレーク

これまで、中国人に人気がある冬季観光地といえば、温暖な気候に恵まれる海南省の三亜でした。しかし、三亜の物価は年々上昇しており、サービスの質は年々低下し、評判も悪くなる一方です。今年、「東北で本物の冬を体験しよう」というキャンペーンがREDで最もホットなトレンドとなりました。

左から順に:東北銭湯、霧松漂流、東北の朝市。
これらはREDユーザーのインタラクティブ件数が非常に多い投稿です。
出典:RED

実際、REDの特集が発表された時点で、ハルビン観光はすでに大ブレイクしており、普通でいう人気のレベルではなく、異例の大ブレイクでした。元旦の3日間で、ハルビンの観光総収入は59.14億元に達し(海南省全体の2倍以上)、東北全域の観光スポットが熱い視線を浴びるようになりました。ハルビンの民泊の予約数は同期比27倍、瀋陽は20倍、延辺は8倍、長春、牡丹江も全て大幅に増加しました。瞬く間に、このトレンドは凄まじい勢いで中国全域に広がり、話題となっています。

黒竜江省文化観光局局長はCCTVのインタビューで次のように話しています。「今年の大ブレイクは偶然ではなく、1年の準備期間を経て、インターネット時代の思考回路を取り入れ、ニューメディアプラットフォームを活用し、黒竜江において多角的な宣伝を行いました。例えば、文化観光トップブロガーたちを招待し、集客のお力添えをいただきました。みんなでダンスパーティー、ソフィア教会の旅行写真撮影、東北の朝市など、すべてフォトスポットへと変身しました。さらには、高トラフィックIP(例えば:淘学ペンギン※)を企画し、黒竜江の観光市場に火をつけました。ユーザーコメントにもリアルタイムで注意を払い、ユーザーニーズに合わせてサービスをアップグレードするようにしています。」

※淘学(táo xué)は逃学と同じ発音で,学校から逃げるという意味です。淘学ペンギンはハルビン極地公園のオリジナル文化観光IPで、オレンジと白の小さなランドセルを背負ったペンギンが、小さな足取りで主な景勝地を巡っています。(下右図)

左:ハルピンの万人Discoパーティーは大盛況
右:ハルピンが創設したIP淘学企鹅が多くの注目を集め、投稿が多数シェアされています。
出典:RED

筆者の考え:ハルビン観光が異例のブレイクを果たした原因はいくつか考えられます。コロナ禍による観光需要が3年間抑制されていたことや、東北の独特な景観、地理的利点もありますが、最も重要なのは地元住民の顧客サービスへの意識が全面的にアップグレードしており、ファンを大事にし、サービスの質を極限まで追求していることではないでしょうか。他の業界にも同じことが言えるかと思いますが、考え方ひとつ変えるだけで、ビジネスチャンスを切り開くことができるでしょう。

2、戦袍(中国戦国時代の服装)が邯鄲の文化観光を牽引

戦袍の起源は春秋戦国時代に遡ります。少数民族の袖が細い服とは異なるタイプの漢民族衣装で、広い袖口、スリムな造り、そして鮮やかな色の組み合わせが特徴です。

戦袍は今回の特集でそれほど人気が高いとはいえませんが、Tiktok、Weibo、大衆点評等のプラットフォームでは、「邯鄲x戦袍」が静かに流行っています。なぜ邯鄲なのでしょうか?実は、邯鄲は戦国時代の趙国の首都であり、古代のファッションの都だったのです。

※邯鄲は中国河北省の南端に位置する都市で、人口は約928万人。

美団のデータによると、2024年12月25日までの1か月間、邯鄲のチケット、ホテルなどの予約数は2019年と比較して43.2%増加したことがわかりました。このような古典と現代の融合は、若者に人気の新しい国潮トレンドとなり、地元の文化観光および地域経済の活性化へとつながっていきます。

今、邯鄲市文化広電観光局は戦袍ブームに焦点を当て、各地のブロガーを邯鄲に招待し、戦袍のフォトスポットで写真撮影したり、大学生に戦袍体験を呼びかけています。多くの観光スポットでは割引キャンペーンや戦袍姿で無料観光キャンペーンを実施するなど、全国から観光客を邯鄲に呼び寄せようとしています。

REDでは「戦国時代における戦袍の着方」「戦袍メイク」「戦袍ポーツ」などがホットな話題になりつつあります。
出典:RED

筆者の考え:邯鄲の戦袍のような国潮消費が続々とブレイクし、若い世代の文化的自信と多様な消費ニーズを反映しています。彼らの情熱とソーシャルメディアの幅広い活用を通じて、戦袍という古風文化を現代社会で復活させ、新しい文化的シンボルとして認識されつつあります。

これら二つのトレンドは、昨年中国各地から観光客が押し寄せた二つの人気都市「天津」と山東省の「淄博」を思い出させますよね。その時も、全国からの観光客が一つの都市に集まるという壮大な光景が現れました。もっと詳しく知りたい方は、こちらにの記事で紹介していますので、ぜひ合わせて読んでみてください。関連記事「天津獅子林橋」と「淄博烧烤店」など、思いがけず超人気網紅スポットに変身

このようなホットな話題一つで人気都市へ変身するようなケースは、近年頻繁に見られるようになりました、2023年12月29日に開催された「2023年人民財経フォーラム」では、文化旅遊部の責任者は、文化産業と観光業が経済成長のエンジンとしての顕著な役割を果たしていると述べていました。

「一緒にアートを楽しむ旅(相约看展游)」、「eスポーツとエンターテインメントの旅(电竞娱乐游)」、「国風を楽しむ、漢民族の伝統衣装を着て写真撮影の旅(国风汉服旅拍)」、「コンサート鑑賞とついでに旅行(跟着演出去旅行)」、「トーナメント観戦とついでに旅行(跟着赛事去旅行)」等が新しい流行の波となり、音楽フェスティバルやコンサート、新しいパフォーマンススペースなどが新たな都市の顔トラフィックの鍵となっています。2024年には、さらに多くの新しい話題や新しい人気都市が現れるでしょう。楽しみに待ちましょう。