現代人を支配する快楽因子ドーパミン
皆さんこんにちは。お久しぶりです、Evelynです。
前回入院経験から情報のバブルという言葉についてお話ししました。(前回の記事はこちら)情報のバブルに支配されている私たちは、次第に客観的ではなくなり、ある人々は偏狭な考え方をするようになります。今回はその情報バブルの支配をどう打破するかもお話しし対と思います。
あなたもドーパミンに支配されていますか?
では、情報の繭を打破する方法はないでしょうか?実際にはいくつかあります。
例えば、異なるキーワードを意図的に検索したり、わざと動画に「興味がない」とクリックしたり、年齢や性別などを違う属性に設定したりすることで、情報の繭の発生をある程度防ぐことができます。しかし、どれも面倒なので情報の繭に陥っていることに気づいてからでないと実行できません。
実は、もう一つ新しい解決策があります。それは、アルゴリズムを使っているアプリ自体を使わない、例えばTikTokをアンインストールすることです。しかし、これは現代人にとって極めて難しいことでしょう。なぜなら、アルゴリズムという大敵以外、私たちの体内にはショート動画をやめられなくする敵がもう一人います、即ち私たちの脳です。
なぜ脳がショート動画の楽しさを一旦味わってしまうとやめられなくのでしょうか。まるでドラッグ中毒したかのように、脳はある物質にコントロールされ、次から次へと快楽物質が与えられ、それがドーパミンなのです。
ドーパミンは脳の神経伝達物質で、普段よく耳にする報酬系と呼ばれるものです。ドーパミンは快楽を感じさせてくれるので、幸せホルモンとも呼ばれています。例えば、学習や仕事で成功や達成感を感じたときに分泌され、それによって大きな満足が得られるともっと頑張りたくなり前向きになります。これはドーパミンのポジティブな効果です。
しかし、現代の多様な生活において、ドーパミンが過剰に分泌されると依存状態にもなり得ます。例えば、美味しい食べ物を食べた後の快感から暴食や肥満、喫煙や飲酒の快感からニコチン依存症、アルコール依存症になるリスクが高まります。快楽や興奮もたらしてくれるドーパミンは一時的なものに過ぎず、今度はもっともっと欲しくなります。
そして、ショート動画も同じメカニズムで、アルゴリズムによって私たちの好みに合う動画コンテンツが表示されるので楽しくなります、そしてドーパミンも過剰に分泌され、ますます脳が興奮してショート動画中毒、ネット中毒してしまうのです。
アルゴリズムとドーパミンの完璧な組み合わせがショート動画やインターネットから離れられなくなる原因となっています。これはまさに現代人が夜更かしやスマホ依存を断ち切れない最大の理由です。
では、ドーパミンとアルゴリズムの両方に支配されているあなたは情報の繭から簡単に脱出できるのでしょうか?「内憂外患」の現代人はいかにして自分の観念を確立し、ネット情報をより合理的に利用して多角的な視点から物事を見ることができるのでしょうか。これこそが取り組むべき問題ではないでしょうか。
大切なのは最初の一歩を踏み出すこと
この記事を読んでいる皆さんは、すでに情報の繭に陥っていることにお気づきでしょうか?私たちにとって情報の繭は避けられないものです。自分と同じ考え方を持っているミニコミュニティにいると幸福感を得られるので、自分が情報の繭にいることを知りつつも気にしない人もいれば、情報の繭に陥っていることに気づいておらず、気づいた瞬間に驚かれるかもしません。
最近、Bilibliで「涂鸦鱼头侠」というup主が投稿した動画を見ました。彼は30日間スマホを弄らず、上海から舟山まで徒歩するチャレンジをしました。その動画から、彼がインターネットによって作られた情報の繭から脱出しようと努力している姿だけでなく、徒歩の旅で出会ったさまざまな人々や出来事にも注目しました。普段の生活ではなかなか出会えないような人たちや物事を通じて、彼の視野が広がり、他人の意見に頼らず、自分の目で全く異なる世界を見ようとしているのです。
新しい環境に身を置き、少しでも自分に変化をもたらすことが、情報の繭を打破する最も有力な方法ではないでしょうか。さまざまな人や物事に触れることは、必ずしも過剰な情報によって作られた繭から脱出できるわけではないし、自分固有の考え方を変えられるわけでもありませんが、視野を広げ、思考活動を活性化させることが可能なのです。例えば、病室に長くいると時々外に出てぶらぶらしたり、他の病室に入院している友達や医師、看護師、さらには配達員と雑談をしたりしていると、スマホを触ったりTikTokを見たりすることなく、現実世界に没入してコミュニケーションや思考のぶつけ合い、意見交換を楽しむことができます。
繭を突き破るには、まず快適ゾーンから一歩踏み出し、数分間スマホの電源を切り、目を閉じて深呼吸することから始めてみてください。ドーパミンの奴隷ではなくエンドルフィンの信者になることを目指しましょう。このプロセスは少し苦痛を伴うかもしれませんが、その先で大きな喜びが得られるでしょう。
※エンドルフィン:モルヒネに似た脳内ホルモンで、天然の鎮痛剤です。ドーパミンの報酬メカニズムとは異なり、エンドルフィンは運動など苦痛を伴う活動を続けた後に分泌されるもので、満足遅延を通じて喜びと達成感をもたらしてくれます。エンドルフィンを得るには忍耐力と自制心が必要なのですが、持続的な喜びを感じることができます。ドーパミンは簡単に得られますが、エンドルフィンを増やすにはそれなりの工夫が必要なのです。
以上、私が入院生活中に感じたことや考えたことについてお話しさせていただきましたが、楽しんでいただけたら嬉しいです。次回は病院ではなく、違う場所でもっと楽しいお話しを皆さんと共有したい思いますので、どうぞお楽しみにお待ちください。