2019.07.19

中国都市であなたの可能性を見つけよう

2019年5月24日、上海で中国新一級都市(参考:中国都市ビジネスランキングの紹介)の発表会がありました。今年の新一級都市のビジネスランキングの順番は:成都、杭州、重慶、武漢、西安、蘇州、天津、南京、長沙、鄭州、東莞、青島、瀋陽、寧波、昆明です。上位4位までは以前の順位とほぼ同じですが、昆明は今年初めてランクインしました。
 中国には生活、投資、旅行、創業など様々なシーンに適した都市があり、無限の可能性であふれています。
 今年のランキングレポートから中国都市に見られる全体の傾向と、都市に関する話題を5つのクイズ形式で説明したいと思います。

南強北弱の新たな構成

2000年1月、中国において東部沿海地区の経済発展から取り残された内陸西部地区を経済成長軌道に乗せるために、中国政府は「西部大開発」を発表しました。この政策には、貴州省、陝西省、四川省、雲南省及び重慶市など12省区市が含まれ、これにより東部から多額の資金と大量の資源が西部に投入されました。
 東部地域は人件費が高く、西南地域は企業の免税制度をなくす等の政策を実施したため、多くの外国企業が西南地域である成都や重慶に本部と工場を設立しました。以前は西部の3億人もの人々が仕事を求め東部に移りましたが、現在ではこれらの原因により西側に戻る人が増えました。これに伴い西側の人口は増加し、多数の商業ブランドを引き付けました。同時に、一級都市は物価が高く生活の質を保つことが厳しくなっています。そのため多くの若者は生活コストが低く、就職のチャンスが多い西南地域を選択するようになりました。この20年間で成都、重慶、西安、昆明は新一級都市に成長し、中国東部と西部の経済格差は小さくなりました。
 一方で、一級都市を含めた都市ランキングトップ19では、北京、西安、天津、青島、瀋陽以外の13都市は全部南部にあります。更には北部でトップ10に入る都市は2つしかありません。レポートの数値から、現在の中国には東西の格差縮小や南強北弱などの新たな傾向が現れていると言えます。 
 私個人の話になりますが、私は2010年に日本の大学を卒業後北京で就職し、2013年に社内異動で上海に来ました。2017年に前職を退職し、北京に戻ろうとリクルートで在職の友達に相談しました。友達は「北京の日系企業は撤退や合併で採用のポジションが前より少なくなってます。逆に南部の都市は就職のチャンスが多いので、仕事を探してみてはどうでしょうか。」とアドバイスをくれました。その結果、私はbalconia上海に入社し、皆様と出会いました^-^ 話は戻りますが、中国でのビジネスが南強北弱の傾向にあることは内モンゴル(中国北部)出身の私個人も感じています。
 続いて、皆様が中国都市を理解し、中国で自分の可能性を見つけられるよう5つの新一級都市の評価指標に着目しクイズ形式で中国都市について説明したいと思います。

Q1、最もブランド店舗数が増加した都市は
成都、天津、仏山、西安のうちのどこでしょうか?

 もし中国で商品販売をするなら、どこに店舗を出しますか?売り手は商品の種類によってその商品にあったマーケットを選ぶので、ブランド店舗数が最も増えた都市が、その商品を販売するのに適していると考えることができそうです。
 新一級都市レポートの統計結果によると、2018年に170個の主流商業ブランドが仏山で251店舗をオープンしました。この251店舗の内、セブンイレブン、蘇寧(中国の家電小売販売会社、日本においては2009年に家電量販店のラオックスを買収したことで知られる。)、スターバックスの3社だけで合計222店舗をオープンしました。
 仏山市は広州の隣の二級都市です。基礎商業指標は半数以上の新一級都市を超えてますが、これまであんまりブランドからマーケットとして注目されてきませんでした。近年、広仏線(広州⇔仏山)地下鉄の開通に伴い、住宅価格が安い仏山市で家を買って、地下鉄で広州に通勤する広州人が多くなっています。消費力が高い在住人口の増加とともに、ブランド店舗数も増えました。
 2018年に最もブランド店舗数が増加した都市は仏山でした。

Q2、最も国際線が多い都市は
深セン、昆明、成都、杭州のうちのどこでしょうか?

 ビジネス発展の重要指標において重要なのは都市の地理的な条件以外に交通の便利性だと思います。中国西南部の成都は、四川盆地の中心にあります。四川盆地は周りを高い山に囲まれ、盆地の中にも大量の丘陵があるため外地への陸上交通の開発が難しかったようです。そのため、成都から北京への高鉄(日本の新幹線のようなもの)は1日4本なのに対し、飛行機は16便出ています。4年連続で新一級都市のNo.1に選ばれている成都は、ビジネスや旅行などで世界とのコミュニケーションが増えており、国際線も増加しています。新一級都市レポートの統計結果では、2018年の成都の国際線は便数は57便で、一級都市の深センより多いという結果でした。
 Q2の最も国際線が多い都市は成都が正解でした。今では日本の13都市から成都までの飛行機があるので、パンダさんに会いに行ってみてはどうでしょうか?

Q3、最もナイトライフが豊富な都市は
上海、成都、北京、広州のうちのどこでしょうか?

 飛行機に乗る時、私はよく帰りを夜の便にします。真っ暗だった雲の上から着陸に向けて下降する時に、飛行機から見える都市のキラキラ輝く夜景にいつも感動しています。バーと映画のレイトショーも都市の生活により多くの娯楽を提供しています。新一級都市レポートの統計結果によると、2018年の上海のレイトショー放映回数は43万回、バーの店舗数は2060軒で、中国で最もナイトライフが豊富な都市となっています。
 自転車に乗って夜の長楽路(上海にある小道)をゆっくりサイクリングするのが私がオススメのリラックス方法です。狭い道の両側にある古いアオギリの木の下に、店が沢山あります。疲れたら店でゆっくり休んだり、喉が乾いたらバーで一杯飲んだり、お腹が空いたら深夜まで開いているレストランで夜食を食べたり……ただゆっくり散歩するだけでもすごく幸せな気持ちになります。このような道が上海にはたくさんあります。皆様もぜひゆっくり楽しんでください〜〜
 ということでQ3の答えは上海でした。

Q4、最もお気に入りの本に出会える都市は
武漢、上海、北京、成都のうちのどこでしょう?

 普段皆様は忙しい1週間を乗り越えたら週末どう過ごしますか?展覧会に参加したり、本を読んだり、運動したり、映画を見たり、友達とパーティーをしたりと色々選択肢があると思います。もし私と同じく読書が好きならこのクイズに注目してください!お気に入りの本に出会うために色んな本屋さんに行ってみたいですよね!新一級都市レポートの統計結果で、2018年に北京の本屋数は1395軒(参考として、日本の東京の本屋は1398軒(データ:http://www.tokyo-shoten.or.jp/seinenbu/shop/tokyo))で、No.1です!

 中国はネットで簡単に本を買うことができます。本屋で買うより安い電子書籍の流行により実物の本屋に大きな影響を与えています。これを背景にユニークな本屋が生まれました。美術館のような钟书阁(本屋の名前)、本と日用雑貨が売られている台湾の誠品本屋、24時間営業の三聯本屋、大型モール中の西西弗本屋、町の隠れ家的な本屋など……本屋は多くの若者がソーシャルメディアで写真をシィアする人気スポットになっています。都市は異なる人々の多様なニーズを満足させる場所です。北京に必ずあなたのお気に入りの本屋がありますよ〜〜〜
 Q4の答えは北京でした。

Q5、最も創業会社の増加が速い都市は
成都、杭州、蘇州、深センのうちどこでしょうか?

中国で創業したい場合、どの都市を選びますか?創業会社の増加速度は一つの参考指標になるかもしれません。創業会社の増加速度が速い都市は、より有利な政策を利用できたりより優秀な人材を採用できるかもしれません。深センは中国で最初に作られた経済特別区で、かつて多くの創業者から注目をあつめていました。テンセント、華為(ファーウェイ)、比亜迪(ビヤキ)などの本部が深センを拠点にしている代表的な企業です。上場企業の中でも研究開発系の企業が最も多く進出している都市が深センです。
 新一級都市レポートの統計結果によると2018年の杭州の創業会社増加率は598%と1位でした。これはインターネット経済の発展とアリババの牽引によるものです。杭州にはネット+ソーシャル小売サービスを提供している拼多多やネット+クラウドサーバーサービスを提供しているアリクラウド、ネット+医療のサービスを提供している微医グループから投資機関まで多数のインターネット事業を行う企業が集まっています。杭州は創業拠点の候補として中国の起業者に一番選ばれています。
 ということでQ5の答えは杭州でした。

最後に

 今回の記事では5つのクイズで中国都市の特徴の一部を紹介しました。今後も様々な角度から都市の分析をした記事を提供したいと考えております。
 もし今このブログを読んで中国でのビジネスにご興味があったり現地視察などを検討されている方は是非お気軽にご相談、お問い合わせくださいませ。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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