2021.10.18

今さら聞けない中国マーケシリーズ第1回「ここで差がつく中国越境EC」

 バルコニアは日系のブランド様を中心に、中国でのマーケティング、ブランディングのサポートをしています。お客さまによっては、中国人の方や中国ベテランの方もいらっしゃれば、急に中国担当になって右も左も分からない・・・という方もいらっしゃいます。このシリーズでは、中国初級~中級の方を想定し、中国マーケティングに関する基礎的なお話を、各分野のプロフェッショナルをお呼びして紹介していきます。プロフェッショナルからの裏話や最新情報もありますので、上級者の方にも楽しんで頂けるコンテンツとなっています。
 初回となる今回は、越境ECがテーマです。コロナで中国人旅行客のインバウンド消費が見込めなくなっている中で、マーケティング戦略の大幅な軌道修正を迫られた会社・ブランドは多いのではないでしょうか。そんな時に中国越境ECは、最初に思いつく手段の1つかと思います。越境ECって今からやっても意味あるの?上手く勝つ方法あるの? 越境ECに限らず中国EC分野で確かな実績をお持ちのunbot社の福積さんに、そんな質問をストレートにぶつけてみました。

越境ECは中国市場参入のファーストステップ

---コロナ禍で訪日外国人が激減し、多くの日本企業が苦戦を強いられています。そんな中、「中国越境EC」に注目する企業も増えていますが、多数の日本企業の中国ECを支援されてきた福積さんは越境ECのビジネスチャンスをどう捉えていますか?

福積 日本企業が中国越境ECに参入して成功するチャンスはあると考えています。ただし、失敗例も数多く見てきました。会社方針で海外進出することになりまずは中国から、という会社も多いと思います。中国はマーケット規模が大きいからという理由かもしれませんが、当たり前ですがその分競合が多い。越境ECをやるということは「越境ブランドvs越境ブランド」ではなく「越境ブランドvs越境以外のブランド(中国国産ブランドや中国に進出している外国ブランド)」になります。そのため、隣の日本企業との差別化にとらわれていては全く勝てない。中でも強いのは中国国産ブランドです。まずは、イマの中国国産ブランドの強さ、資本力、消費者の傾向(国潮など)やトレンドを理解することから始めるべきです。

近年、中国国産ブランドは莫大な資金を投じてものすごいスピードで成長しています。優秀な人材を集め、日本が真似できないほどのスピードで商品開発を行っています。もちろんデザインも中国の消費の中心であるZ世代に人気です。中国市場は今やこのような競争環境にあることを理解した方がよいと思います。

---イマの中国市場を正しく認識することは確かに重要ですよね。その市場実態を踏まえた上で中国越境ECにおける成功ポイントはどこにあると考えますか?

福積 まずは市場調査や戦略などのマーケティングプランが重要となるのは大前提ですが、それ以外で申し上げますと中国市場を担当される責任者の方のスタンスや意思が大切だと考えております。自分ごとを会社ごとにすることは非常に重要ですが、中国ビジネスで本気で勝つときに会社ごとを自分ごとに変える力、「本気で中国市場で成功したい」というスタンスと覚悟が重要です。中国市場の担当に任命されてビジネスパートナーやサプライヤーを何となく選んで何となく進める、というスタンスではとてもではありませんがこの巨大な中国市場で勝つことは難しいです。例えば、我々のようなTP(Taobao Partner・・・中国におけるEC運営業者)のレポートを聞いて「なるほど、ありがとう。じゃあ来月は〇〇をしておいて」というスタンスではなく、ご担当者様自身が管理画面をみながら我々と一緒に議論をし、課題を見つけ、PDCAをデイリーで回していくスタンスとリソースが必要です。

スタンスよりも「ブランド認知でしょ」「潤沢な予算でしょ」と思われている方がいらっしゃるかもしれません。もちろん予算があるほど打ち手のバリエーションも増え成功確率が高まることは間違いありませんし、それも非常に重要ですが、それと同じぐらいスタンスは大事だということをお伝えしたいです。また状況は刻一刻と変わるので、かなりスピーディな意思決定が求められると思います。

---中国越境ECに活路を見出す企業の中にはできるだけ早く成果を出したいと考えている人も多いと思いますが、越境ECに取り組み始めたばかりの企業がつまずきやすい注意点はありますか?

福積 越境ビジネス開始から1年未満での単月黒字を求められることも多いですが、正直難易度はかなり高いと感じています。国際物流によるコスト増、日本と異なる商習慣、中国14億人の中での戦略ターゲット設定とそのインサイト理解など、中国市場で戦うにあたっての認識ギャップを埋めるのに時間を要することが多いです。

また、例えば「現在、日本市場でのブランド売上は10億円あるから中国市場の初年度で3億円はいけるのではないか」といった中国市場に対する過度な期待感を持つのも要注意です。特に日本市場におけるブランドの成長過程を知らない方だと、初めて市場参入したときにぶつかる壁や必要な投資を過小評価しがちなので、その点は丁寧に説明するよう心がけています。

越境ECはNMPA(※中国の薬事認可)を取得できていないプロダクトのテストマーケという位置づけで、〇年後に中国に現地法人を構えて一般貿易に進出し、〇年後に海外売上比率を〇%に持っていく、というように中国進出の戦略を描いた上で越境を開始される企業様の方が中長期での成功確率は高いように感じます。

マーケットサイズでいうと、中国国内のBtoCの市場規模が約200兆円に対して、日本の商品を中国越境ECで購入する市場規模は約3兆円です。この数字だけ見ると越境EC市場は小さなマーケットに見えてしまうかもしれませんが、中国市場で戦うために手始めとして越境ECに着手、その後の法人設立・一般貿易を経て本格的に200兆円市場を目指す。つまり越境ECは中国本格参入する上で足がかりとなる重要なステップと位置付けています。

成長を続ける中国越境EC

---中国市場で結果を出すためには相当な覚悟とリソースを持って取り組む必要がある、というのは我々も同感です。ちなみに、まだ中国に進出していない企業・ブランドが今から越境ECに取り組んでも遅くはないでしょうか?

福積 はい、全然遅くないです!中国進出で何かお困りの際にはぜひお声がけいただきたいです。そのために私は20年1月に8年住んだ中国から日本に帰ってきました。認知がないブランドで短期的な売上を作りたいというご相談は一般的には難易度が相当高いですが、中国の攻略難易度をご理解頂き、中長期で伴走させてもらえるのであれば、ぜひ本気でお取り組みしたいです。

中国の越境EC市場は拡大を続けています。2015年から5年で5倍の成長を遂げており、日本企業にとっても大きなビジネスチャンスと捉えられます。中国の消費者は中国国内に流通している商品だけでは飽き足らず、常に新しいモノ、海外で人気なモノ、ブランドストーリーに共感できるモノを探し続けています。そのため海外で一部の人しか知らない「小众(マイナーなもの)」こそ良いよね、という消費文化も盛り上がって来ています。カテゴリにもよりますが、肌に塗る化粧品や子供に使用するマタニティ関連商品などは中国では安全性が重視されているため依然として日本の商品が人気です。安全性や信頼が重視されるカテゴリでメードインジャパンを買いたい人にとって越境ECはとても人気です。

また越境ECのユーザー数も急増しており、正規の越境プラットフォームでの購入者は2016年には約4,000万人だったのに対して2020年には2億人に達しました。この越境ECユーザーの特徴としては、1級~2級都市在住が70.1%、女性73.5%、30歳以下82.6%を占めています。

今後消費の中心になってくるZ世代が越境EC市場も牽引しており、購入単価も高くリピート率も高いため、越境ユーザーと相性の良いカテゴリ・ブランドにとっては追い風となるのは間違いないでしょう。

---我々が普段中国の消費者と接する中で、コロナ禍により海外旅行に行けなくなったことが消費活動やマインドに影響していると感じているのですが、その点は越境ECにも影響を与えていると思いますか?

福積 過去越境ECが伸びた要因はいくつかありますが、海外旅行者の増加もマーケット拡大に寄与していると考えています。海外への旅行者が増えて現地でしか買えないものを購入し、中国に戻ってからは越境ECで購入する、という流れが大きかったと思います。しかしコロナ流行以降は以前のように気軽に海外に行けず行動が制限されている、そんな中でも海外商品を欲しい衝動は毎年右肩上がりなので、越境商品を求めている人は増えていると思います。

ちなみに、コロナになって消費者は商品価格の変動幅は以前ほど気にしなくなったと思います。コロナ以前は日本に行って商品を安く買っていた人も今は日本に行けなくなってしまったので、越境で買う人も増えています。越境だと日本の小売価格よりも少し高いと感じつつも日本の商品を買う。コロナ以降越境ECの単価は上げやすくなったのは大きな変化だと思います。データですべてトラッキングできているわけではないのですが、個人的な感覚でいうとインバウンドの顧客層と越境ECの顧客層の関連性は高いと思います。

なお消費者だけでなく、中国の卸会社が代理商(※販売代理店)と話していると、とにかく越境商品を仕入れさせてくれ、という会社が増えています。背景としては、NMPA取得品や一般貿易品は仕入れルートが複数あり取り扱い難易度は高くないのですが、販路が限定されている越境商品は消費者の人気に呼応して代理商にも人気です。このように消費者・卸等のビジネスパートナー問わず越境EC商品は非常に人気があります。

越境ECの多様なプラットフォーム

---中国越境ECは活況ですが、この勢いは今後も続くと思いますか?

福積 中国の越境EC市場はまだまだ伸びる余地があると思います。インターネット普及率を見ても、日本:91.3%(2019年)、アメリカ:88.5%(2019年)に対して、中国:67.0%(2020年)という状況です。中国のインターネット普及率が上がれば、越境ECを含めたEC市場はさらに拡大するでしょう。

また、中国は配達効率の高さもEC発展を支える基盤の一つだと感じています。荷物を預けるインフラが整備されているだけでなく、玄関前に荷物を置いていても盗難が少ない、同居するおじいちゃん・おばあちゃんが在宅のため再配達率が低いなど配送効率は日本より高い印象です。

そして、近年中国ではECプラットフォームの選択肢が増えているのも特長的です。

・知っているブランドを検索して買う従来型の「天猫(Tmall)、京東(JD.com)」

・時間消費をしていたら気づかないうちにコト体験で消費している「ドウイン(抖音:日本ではTikTok)」

など、様々なニーズを満たしたプラットフォームが進化、成長しています。これまでのように「海外の商品がほしい」というニーズを持った人以外にも越境に触れる・買う機会が増加しています。

---中国は様々なプラットフォームがありますが、プラットフォーム選択の基本的な考え方について教えてください。

福積 やはりまずは信頼とユーザー数が同時に獲得できるEC大型プラットフォームがお勧めです。またブランドは限定されますが、おもちゃのBANDAIや、バッグのアネロ、アパレルのYoji Yamamotoのように各カテゴリを代表し、多くの中国の方に認知されて指名検索をされているブランドであれば「WechatEC」のような出店もありだと思います。競合と比較されることがあまりなく、ブランド名の指名検索数≒購買ポテンシャル層であれば、「ユーザー数×単価×CVR(×リピート率)=売上想定」を推計した上でWechatECをやりましょうと提案することもあります。WechatECの良いところは、EC大型プラットフォームよりも出店コスト・運用コスト・諸経費などが比較的低い点にあります。

越境ECで注目のドウイン

---では、ここからは具体的に越境ECをどうやって成功させるかというhow toについてお伺いしたいと思います。日本ではいまだに天猫国際、京東国際、コアラ(KAOLA)を選択する企業が多い印象ですが、選択肢の選び方は変わってきていますか?

福積 越境ECのプラットフォームの選び方は結構変わってきていると感じています。個人的にはドウインの越境ができるまではコスメなら天猫やコアラを、家電・食品・マタニティ関連なら京東をお勧めしていました。コアラは越境だと25%と最もシェアが高く、アリババに買収されてからはアリババグループで50%超のシェアを誇るプラットフォームです。またコアラのユーザーは80%以上が女性でリピート率・単価ともに高く、コスメとの相性がばっちりでした。ユーザーのコアラに対する印象は「本物の商品が多く、どこのプラットフォームよりも安い」とアンケートでも高評価で、好きな越境ECプラットフォームNo.1にも選ばれていました。

ただし、ドウイン(中国版TikTok)の越境ができてからは、カテゴリによって相性の良し悪しはありますがドウインをお勧めすることが増えてきました。私がクライアントから相談を受けて、1年で天猫・京東の売上を2倍にしてほしいと言われてもそれは難しいとお伝えさせていただいておりますが、ドウインであれば達成できる可能性があると伝えています。というのも、それは右肩上がりの市況感とアルゴリズムを読みに行けば認知がないブランドでも勝算が出てくると考えたからです。

---ドウインのアルゴリズムというのは、狙っているターゲットにどんどん当てていくということですか?

福積 そうです。私の個人的見解と予測が多いので詳細は控えさせて頂きますが、「自播(自社ライブコマース)」と「直播KOL(達人ライブコマース)」の理想的な売上比率、各ブランドのCPA、どのようなクリエイティブを広告で運用すればどれだけ効果(売上)につながるか、などは一定理解しております。そのため多くの仮説とその成果の一定のノウハウは蓄積できているかなと思います。

---ドウインで運用する場合、非常に迅速な意思決定が求められる印象ですが、その点いかがでしょうか?

福積 従来のECとの違いでいうと、従来のECは商品詳細ページなどの静的なLPだと思うのですが、ドウインの場合はライブコマースが着地になるので動的になります。脚本・MCなど含めてライブコマースの最中でもコンテンツがより良いものになるように常に調整し続けるのが重要になるので、MCN(※インフルエンサーの管理・運用機構)との連携が結構大事になってきます。

ドウインと他プラットフォームとの違い

---ここまではドウインを中心にお伺いしましたが、天猫国際はどうですか?ブランドによっては、これまでの積み重ねやアリババとの関係から天猫を優先せざるを得ないケースも多いと思います。天猫での越境ECに関してもご意見をお聞きしたいです。

福積 天猫でもある程度アクセスを増やしたりはできていると思うのですが、アリババの場合は売上・ロイヤリティも重要ですが可処分時間を重んじています。これはアリババ・天猫に限った話ではありませんが、メディアのコマース化やトラディショナルなECサイトのライブ機能追加などの影響もあり、各プラットフォームで可処分時間を争奪する時代に突入しています。

そのため、あるプラットフォームでは「非キャンペーン時期は週に〇時間のライブコマースを実施するが、キャンペーン時期にはライブコマースの時間を大幅に増やす」といったコミュニケーションをとることも増えてきました。

ライブコマースを実施することでECの商品詳細ページのような静的LPでは表現できない立体的な情報やメリットを消費者に伝えることができるので、ライブコマースで初めて知ったブランドでも購入までもっていくことができた事例は多数あります。

---ドウインはコアなターゲットが限られているイメージで若くて可処分所得はそれほど高くない印象ですが、どの商品でも相性はいいですか?それともターゲットやブランドを選びそうですか?

福積 ターゲットは選ばないと思います。アプリを使っている人でいうとネット人口10億人のうちの6億人が毎日見ており、一定の母数があるためどの年代・層にも刺さると考えて良いと思います。それこそ先ほど話したアルゴリズムで商品を買える人たちは自動的に年齢・経済状況で決まってくるので、アプリケーション全体でみると10代が15%存在していますが、商品を買っている人を見ると我々が買ってほしいと思っているターゲット層がほとんどを占めます。もちろん、商品ごとに見極めは必要だと思いますが、私的にはドウインはターゲットを選ばず一番売りやすい印象です。各プラットフォームでの購入パターンを比較すると、意外にもドウインでリピート率が最も高いという結果もありました。たまたま買うイメージが強いと思いますが、施策によってリピートを起こしていくことも出来ると言えます。

---以前の印象だと天猫1強に感じていましたが、ブランドサイドとしてはプラットフォームの選択肢が増えてきた印象でしょうか。

福積 おっしゃる通りです。日本に住みながら中国向けの情報収集をしているとアリババ・天猫の情報を多く耳にしますが、カテゴリによってはもちろん天猫以外が最適なケースもでてきています。例えば、中国国内ECのGMV(流通取引総額)2位である京東は、化粧品やマタニティ関連商品のように単価が高く安全性が確保されてないといけない商材との相性が非常によいです。このようにプラットフォームを検討するにあたって、各プラットフォームの特徴をきちんと理解しておくことが重要だと思います。

業界大手である天猫や京東のような伝統的な「検索型コマース」は、ユーザーの大半がリスティング広告経由で直接商品詳細ページにいって事前に仕入れた「購買を決定づける情報」をもって購入に至ります。そのため、認知の低いブランドが天猫・京東に参入したとしてもリスティングで上位表示されず「UI上表示されている月間売上数」を見て安心できる数値でない場合、購入にまで至らないケースが多いという印象です。つまり、天猫・京東では認知や話題性に加えプラットフォーム外でのプロモーションが非常に重要になってくると言えます。逆に、もしプラットフォーム外でプロモーションを十分に打てる予算があれば、天猫・京東で一気に跳ねる可能性があると言えるかもしれません。

一方、今の中国のEC代名詞である「インタレストコマース」を牽引するドウインは、ジャックマーが言っていたAIPL(アリババが提唱するAwareness Interest Purchase Loyaltyの略)のような購買行動プロセスが全てドウイン上で完結しているような印象です。ドウインがECを始める前は「認知はWeibo、興味はRED、購入は天猫」というような複数のプラットフォームにまたがるユーザーも多かったと思いますが、「ドウインの広告で商品を認知して、ライバーのライブコマースで興味を持ち、ブランドの自社ライブコマースで購入し、さらにブランドのクリエイティブに触れることでロイヤリティが高まる」という流れをドウインという1つのプラットフォーム内で成立させているのではないかと考えています。

もちろんドウインは今勢いのあるプラットフォームではありますが、カテゴリによって消費者の行動は変わってきますし、ブランドのステージごとに状況も変わってくるはずですので、そのブランド・商品ごとに適切なプラットフォーム検討は必要だと思います。

---特に若年層で多く使われているRED(小紅書)は越境系のプラットフォームを持っていないのですか?

福積 REDも越境ECはやっています。ただREDはメディアからコマース化するのに失敗した印象です。ユーザーのモチベーションとしては知る・調べるというプラットフォームだったのもありますが、REDで売っている商品の中には偽物もあるかもしれないというニュースや噂が出てしまったので、その影響もあって調べる・比較するプラットフォームになってしまったと感じています。その結果、REDはアリババと組む決断をして、今までできなかったタオバオへのリンクをつけることをテスト的に今年始めると公表しています。REDはRED単独でのEC収益化を目指すのでなく、アリババと組んでタオバオにユーザーを送客するという形でEC参画を図ると思いますので今後の動きには要注目だと思います。

---中国では口コミの影響が非常に大きいと感じていますが、REDの口コミはどう思われますか?

福積 日本ではインフルエンサーが広告主から報酬を受け取り商品・サービスを口コミで紹介する際には「#PR」「#Promotion」などのハッシュタグをつけますが、中国では口コミ投稿が広告案件であることを明示しなければいけないという決まりはありません。だからこそ、中国のユーザーはWEBや広告に対するリテラシーが高いと感じています。また、中国では情報も商品も「本物」を求める国民性があり、自分の好きなタレントが本当に良いと思って使っている商品やブランドを知りたいという気持ちが強いため、広告主から報酬をもらって自分が使っていない商品について良い口コミすることに抵抗感があるユーザーも一部います。そのため、明らかに広告だ!みたいな口コミより、広告色の少ないコンテンツがたくさんあった方がユーザーの心は動くと思います。

中国ECのパートナー選びのポイント

---ここまで越境ビジネスを含めた中国ECのhow toを福積さんにお伺いしてきましたが、中国で戦う際にはTP選びも重要だと感じています。我々のクライアントでもTP選びで悩まれているお話を結構聞くのですが、TP選びのポイントってありますか?

福積 TP選びのパターンは大きく2つあるように思います。1つ目のパターンとしてコロナで中国の総経理が日本に帰任された場合は、地場の情報をしっかりとキャッチアップできている印象が強い中国ローカルのTPを選定されることが多いです。もちろん越境の場合ハンドリングが日本になるので、日本に中国語が堪能な方がいらっしゃる前提となります。2つ目のパターンは、日本人だけど中国に精通していて色んなソリューションを提案できる人がたくさんいるところを選びたいという企業も結構あります。両方が一長一短だと思いますが、一般的に良いTPを選ぶポイントとしては以下の3つが挙げられると思います。
・プラットフォームとの関係性ができているのか?
・日中のことを理解している人をどれぐらいアサインできるのか?
・実績がどれぐらいあるのか?

我々unbotは日中の違いを踏まえた上でクライアントにより良い提案ができる人材を多く抱えています。またBtoCの主要プラットフォームと付き合いがあるため、プラットフォーム選びからご提案をすることも可能です。各プラットフォームの担当とデイリーでコミュニケーションを重ねて深い関係性を構築しており、プラットフォーム側から何かと融通をきかせて頂いたりもしています。越境ECに関わらず、中国でのECでお困りの際はぜひお声かけください!

福積 亮氏
・unbot.inc/Department Leader
・PwCコンサルティング合同会社/顧問
・国土交通省官公庁/東南アジア訪日インバウンド事業専門家

2016年unbotにジョインし、現在はグローバルセールスの責任者を務める。
2020年1月より8年住んだ中国を離れて東京本社にて、越境ECの事業拡大に注力。
天猫、JD.com、RED、抖音など、中国を代表するBtoCプラットフォームの運用実績多数。
得意領域は、日本D2Cブランドの中国進出の0→1(事業計画立案〜メディアプラン〜実行)。

Twitter
https://twitter.com/liangshanghai

FB
https://www.facebook.com/ryo.fukuzumi/

聞き手

川崎 訓
・balconia株式会社 上海オフィス副総経理

インテージ・チャイナの事業責任者を経てbalconia Shanghai副総経理。インテージ(東京)時代から一貫してグローバルリサーチに従事し、日系企業の海外マーケティングのサポートを続けてきた。中国でみてきた消費者は5,000人を超える。マーケティング理解に基づいた、消費者に対する深い洞察を得意とし、消費者インサイトを起点に戦略立案やクリエイティブへの提案を行う。

個人Twitter: https://twitter.com/sa_10shi