2020.06.12

家具屋で実践!中国ブランドマーケ

川崎です。前回転職してきました、と紹介させて頂いたばかりなのですが、同じようなタイミングで中国人の友人の家具屋(@上海)も少しお手伝いすることになりまして。ちょっと相談にのったり、話を聞いたりする程度なのですが、それが思いのほかブランド・マーケティング的にも学びがあったので、ここでお話したいと思います。顧客のお話とブランドの「キャラ」のお話です。

 

家具屋の基礎情報

友人は家具屋をはじめて約2年。ヨーロッパのビンテージ家具をメインに扱っています。単価は比較的高く、安くても3万円~、高ければ数十万円の商品を扱っています。オンライン+リアルの業態で、もともとリアルはRedzepiという上海で若者に超人気の大型生活雑貨店に間借りしていました。それに少し行き詰まりを感じている矢先に、外灘近くの雰囲気ある歴史的建築物の一部屋、200平米強という素敵な物件が見つかり独立。という経緯です。

 

顧客は誰か

ご覧の通り、比較的高級商材になりますので、ターゲットはある程度のお金持ち層になります。しかも、中国ではまだまだマイナーなビンテージ商材。ということで、先進的お金持ち層ということになりますね。結構多くの方が関心ある層かと思います。

もともとオンライン+Redzepiでやっていた時の主なお客さんは以下の2層だったようです。

1. 上海在住の香港や台湾の方(事業やってたりクリエイティブ系)
2. 地方の事業主(飲食店などの自営業オーナー。成金系)

実は、上海地元っ子はほとんどおらず、さらに会社員のお客さんもほぼ皆無でした。

このうち上客は2の層。おそらく地方で情報や選択肢が少ないってこともあるのでしょうが、何より自由になるお金が大きいと感じます。しかも一度つながるとウェットにズルズルお付き合いが続いたり紹介してくれたりするのもこの人たちです。
家具という商材の性格もあるのでしょうが、やはりサラリーマンより事業主の存在が大きい。

先進的お金持ち層と聞くと、IT企業とかに務めるような都市型先端層をイメージしがちですが、そうとは限らない、というのは1つのラーニングですね。
ちなみに、2は浙江省の人が多いです。温州をはじめとして、自分で商売をやって成功している人が多いのが特徴です。

 

新店オープン後の顧客

新店オープンから3週間程度経ちましたが、2週間足らずでこれまでのオンライン+リアルの1か月の売上げを無事上回ったようでホっとしています。ビギナーズなんちゃらかもしれないのですが、大事だと感じるのは、新しい層のお客さんが増えたことです。

3. 上海地元の事業主(自営業から会社の社長まで幅広そう)

が加わりました。で、この人達がどこから来たのかを探ると、どうやら完全新規ではありません。開店直後なので、そういった人たちが多いのは当然ですが、興味深いことに、以前は全く購入せず、新しいお店ではほとんど迷うことなく購入してくれています。しかも、どうやら周囲に紹介もしてくれている。頼んでもいないのに。

経緯にある通り、元々はオンラインに加え、リアルはRedzepiという大型店舗に間借りしてました。多くのお客さんは、その時にも来店経験があるようです。
RedzepiはKOL(ネットで人気の)雑貨店として知られる若者人気スポットなので、週末の賑わいはかなりのものがあります。ただし、その分ごちゃごちゃしてるんですよね。
客層も学生さん、中でも「自撮りのインスタ映え」狙いが多くを占めており、友人の家具屋のお客さんになるような人にとっては居心地が悪かったわけですね。

今のお店は、外灘、歴史的建築物、広い店内ってことで、リッチな気分になれる。
それに加えて来店は事前予約制をとっています。それによって、エクスクルーシブな気分にもなって、「何か買って帰ろう」と思ってくれる。
当時と今とで、実際置いてる商品はほぼ同じ。それが環境が変わるだけで見え方も変わってお客さんの行動が変わる。至極当たり前なんですが、やはり大事ですね。

(ちなみに、事前予約制は、更に良い効果を生んでいて、ゆったり接客できる分、客が「どんな人か」ってことも掴みやすい。連絡用にwechatでつながることになるので、モーメンツ(wechatでの個人投稿)を見ればどういう人かを垣間見れたりします。ターゲットのリサーチを同時に出来ている状態と言えます。)

 

ブランドもお店も「キャラ」が大事

そう、結局ブランドにとってもお店にとっても、大事なのは「キャラ」なんですよね。
でも人間個人と同じで、キャラって自分ではなかなか気づけなかったり、自分が思ってるのと人から見えてるキャラが違ったりする。
友人の家具屋は、自らキャラを出そうとしつつ、並行してお客さんに認めてもらえるキャラの要素を見つめ直すことで、自分のキャラを再認識・強化出来ていると言えます。それにより、もっとキャラを強める形でサービスなりを組み立てていけます。
例えば、些細なんですが、接客時にはお水を出そう、それもローカルのミネラルウオーターじゃなく、多少高くてもペリエにしよう、とかね。それも全てブランド強化のための投資と言えます。

 

おわりに

すごく規模の小さな個人ショップのお話ですが、大事な要素はブランド・マーケと同じだなぁと感じ、皆さんに共有させて頂きました。
あなたのブランドは「キャラ」、掴めていますか?もし見失っていたり、自信がなくなってきた場合は、一度弊社にお声かけ下さい。キャラの魅力をもっと引き出すお手伝い、是非させて下さい!