2020.03.19

MOBAの商品が嫌いなマネージャー目線から見た「伝説対決」(AoV)

MOBAとは、Multiplayer Online Battle Arenaの略称です。

中国の春節期間はオンラインエンタメのシーズンです。今年は新型コロナウイルスで仕事の開始時期が遅れた影響もあり、ゲーム業界のユーザーボリュームは更に増えました。グローバルではユーザー数が一番多いMOBAの「伝説対決」(AoV)の1月の課金金額が約92億RMBに達しました。

去年の9月に、《先輩からの「きかほうてん」をお受取りください》 という記事を投稿しましたが、「ゲ—ム中のトリック」という話題がまだ残っていました。早速ゲーム製品及び「伝説対決」中のインセンティブ機能について、話しましょう。

 

一、なぜ私たちはゲームに溺れるのでしょうか

ゲームは、私達のニーズを満たし楽しませてくれます。例えば、「テトリス」の場合、だんだんブロックが高く積みあがってきて、縦長の棒(4ブロックが縦に積まれたブロック)があれば4列消すことができるのに、なかなか出てこないとき、プレッシャーはどんどん大きくなっていきます。「こい!こい!」とずっと期待しているのです。その時やっと棒が来て、一気に4列消すことができたとき、画面もきれいになり、点数も上がります。すごくすっきりして、嬉しくなります。ゲームにはこういった気持ちよさがあると知っていてますが、いつ来るかは分かりません。

ゲームには必ず体験できるインセンティブもあります。例えば、「スーパーマリオブラザーズ」には、1UPキノコを獲得したときに、ピロリロリロ~ン♪という効果音と“1UP”アイコンが出てきて、視覚と聴覚でより満足させます。これがインセンティブです。

予想できない心地よいタイミングと予想できる心地よいタイミングを合わせることで、より楽しいユーザー体験にしています。ゲーム開発能力とは、ユーザーの気分を把握する能力のことです。なので、ユーザーのインセンティブ機能はゲーム設計の中でとても大切なパーツだと思います。

ユーザーにとってのゲームのやりがいは、プレッシャーを乗り越えた時の満足感です。プレッシャーから解放された快感と獲得感とインセンティブの満足感が合わさると、やみつきになります。そうすると、私達はゲームに溺れるのです。

 

二、「伝説対決」はどうやってユーザーを楽しませているのでしょうか?

毎回Dive*した時やMVPを獲得した時、legendary*になった時、達成感や満足感があります。
メダル、花、賞状、トロフィー、ベルトなどは達成したシンボルで、もともとは意味を持たないグッズですが、苦労して色々なチャレンジを乗り超えた達成感の賜物です。そして、これらもゲームの中の最も基本的なインセンティブの手段だと思います。

*Diveとは、Over the tower to killということで、勝つための一つの方法です。
*Legendaryとは、皆が尊敬する人というステータスです。

「伝説対決」のすごいところは、外部インセンティブ機能を強化し、インセンティブのハードルを下げたことだと思います。例えば:

1、「伝説対決」は、ボタンが全部で3つしかなく、2本の指で遊べてとても操作しやすいという評価が最も多く寄せられた。

2、1ゲームの所要時間が少なく、6分間でGang up*できます。地下鉄に乗っているときや通勤途中、昼休み、トイレなど、いつでもどこでもGang upすることが可能。

3、端末の縛りがなく、iPhoneでもアンドロイドでも、同じゾーンで一緒に遊ぶことができる。

4、毎日もらえるログインポイント。初心者で遊び方が分からない人も“毎日ログイン”という簡単なタスクがあり、“ヒーロー10人を倒す”という難しいタスクもあり。ユーザーは考えずに、指定されたタスクを完成したら、点数獲得したり、経験値上がったり、ヒーロー関連のビルドがもらえたりする。

これらの外部インセンティブ機能は操作ハードル、端末ハードル、思考ハードル、時間的ハードルを下げるために強化されたものです。

*Gang upとは、1組織されたグループとして行動するということ。

 

三、外部インセンティブ+内部インセンティブ=インセンティブを強化しあうループ(Reinforcing Loop)

低いハードル(low threshold)のおかげで、大量の女性ユーザーが入ってきて、内部インセンティブ機能をはたしています。
2018年の統計データでユーザー数が2億人を超えた「伝説対決」は、女性ユーザー比率が54%で1億人になりました。
数多くの女性ユーザーの参入は、男性ユーザーへのプレシャーや競争心をより激しくさせ、それが内部インセンティブ機能となっています。
もしインセンティブ機能が、ボーナスだけの場合、この機能はそれほど役に立たないと思います。

「伝説対決」のすごいころは強化ループを作ったことです。ユーザー達はお互いにプレッシャーをかけたり、お互いにインセンティブしたりするのです。

これも2015年に発売されたソシャゲが2020年になってもDAU*ピークが9535万に達した原因の一つでしょう。

*DAUとは、Daily Active Userの略で、1日あたりのアクティブユーザーを意味ます。

 

四、僅かな悟り

実はインセンティブは細かな工夫が必要で、ゲーム開発も同じです。
チーム管理もその通りで、科学的なインセンティブ手段を通してチームの外部インセンティブを強化します。企業カルチャーは個人の内部インセンティブに影響すると思います。
さらに深く考えると、ライフプランニングも同様です。私たちは何のために仕事するか、何のためにダイエットするか、または何のインセンティブに影響されてより良い自分になるのでしょうか。

自分を励ますことや、お金を使って自分を喜ばせることは同じように大切でしょう。