2020.05.18

意外と知られていないリサーチの機能

はじめまして!川崎と申します。4月より、balconia Shanghaiに副総経理として加わりました。どうぞよろしくお願いします。
これまでは、マーケティングリサーチの会社で、日系メーカーさん中心にマーケティングのサポートをしてきました。ちなみに、今年で上海歴が丸々8年となります。

さて、初めての記事ですが、自己紹介も兼ねて、リサーチのことを書きたいと思います。
長年リサーチの側面からマーケティングに関わってきましたが、案外リサーチってものが誤解されている気がします。今回はそれについて私なりの考えをお伝えします。

 

リサーチって何の役に立つの?

マーケターの方とお話していても、リサーチが単に「アンケートやインタビューをすること」みたいにHowの部分でしか理解されていないと感じることが結構あります。その場合、往々にして「お金かかるわりにやってもやらなくても一緒」って思われていたりします・・・残念なことです。(実際そういうリサーチが溢れているのも事実ではありますが)

リサーチは本来、マーケティングのプロセスに消費者の視点を持ち込んで、課題を解決したり、意思決定に示唆や自信を与えるために行われるものです。
そしてリサーチの大事なミッションの1つが「ターゲットとなる消費者の”欲求・欲望”をデータや言語によって視覚化し、管理・コントロール可能なものにすること」で、これがうまくいけば強力なパワーを発揮します。

と言ってもなかなかイメージがわかないかもしれないので、1つ質問をしてみましょう。

「あなたの商品/サービスのユーザーの姿が思い浮かびますか?」

ー え?そりゃあ女性で、30代前半、ホワイトカラー、情報に敏感で。。。

もちろん、それも大事です。じゃあ以下はどうでしょう?
・その人は、どんな性格で、どうなりたいと思っている?
・その人は、周りからどう見られたいと思ってる?
・その人は、どんな1日を過ごしていて、その中でどんな楽しみ・困難を抱えてる?
・その人があなたの商品/サービスにお金を出すのは、何を解決したかった?

パッと思い浮かびましたか?
もし問題なかった方。もう1つ質問をご準備しています。
あなたの同僚や、プロモーションを依頼している外注さんに、同じことを聞いてみて下さい。完全に一致、はしなくても、似たような回答が返ってきましたか?

ここまで全然問題なかった場合は、リサーチは確かにあまり必要ない、というより、マーケティングの中で既に何かしらの形で”リサーチ”が十分機能していそうです。

そうでない場合。リサーチ的視点やリサーチ機能によって、ブランド・マーケティングをより効率的に行える余地がありそうです。

 

そんなことまで知って意味あるの?

という声も聞こえてきそうですね。

ちょうど先日弊社のチームで、お客様のターゲットを定義するため、ディスカッションをしていました。

「この人(お客様のブランドのターゲット)は明るそうに見えるけど、何かしらの影を抱えてるはず」
「強そうに見えて、実は何かに頼りたいんだよね」「そーそー、めっちゃ分かるー」
「それで週末はさぁ・・・」

まあ盛り上がる盛り上がる。
周りのメンバーからは「何の占い?」と思われたことうけあいなのですが、ここまで理解出来ていればこそ、ターゲット目線で施策が考えられたり、クリエイティブの良し悪しの判断ができるようになります。
(例えば、「根っから明るい人」向けのメッセージと、「明るい。けど、ちょっと陰キャラ抱えてる人」向けのメッセージ、きっと違いますよね?)

そして、こういった共通認識は、積み重ねたリサーチによって消費者を理解し、それを言語化してきたことで生まれています。まさにこれがリサーチの機能です。

 

おわりに

じゃあ具体的にどうするんだ、といったお話は全くしなかったですが、こんな課題意識のもと、ブランド・マーケティングに役立つリサーチのあれこれを今後も発信していくつもりです。(と言って自分を追い込んでみます・・・)
また、「非リサーチャーのためのリサーチ講座」を弊社社内向けに絶賛準備中です。出張講座もしますので、ご希望あれば是非お知らせください。
戦略のためにリサーチから始めたいけど何から手をつけて良いか分からない、やってはいるけどうまくいかない・・・という場合もお気軽にお声かけ下さいね。私たちがお力になれるはずです。