2020.12.15

今、若者の間で流行っている人気の「遊び」

みなさん、こんにちは。
ついつい、色んなことに手を出してしまうDirector、kakiです。
今回は、若者のライフスタイルについて触れてみたいと思います。今の中国の若年層マーケットの動向を知る手がかりとして参考になれば幸いです。

先日、元々タオバオでライブコマースを担当していた方が、若年消費者の実態について語っていました。なかなか興味深い内容でしたのでシェアさせてください。

若年層に向けた人気のプロモーション

周囲を見回すと、ほぼ全てのB to C ブランドは18~25歳の若年層に焦点を当てています。この消費者グループには以下の3つの特徴があります:

1.新しい物事を受け入れやすい
2.購買力が高い
3.インターネット上で非常に活発

特に注目したいのが3つ目の「インターネット上で非常に活発」という点です。
若者はネットで書き込む(自分の意見を主張する)のが大好きで、ブランドにとっては、話題を作る絶好のチャンスです。
人気の記事、人気の動画、人気の商品・・・これらの多くが彼らによって生み出されたものです。
そういうこともあり、最近、若者の関心に寄せた広告がどんどん増えてきました。例えば、若者に人気のアイドル“蔡徐坤(ツァイ シュークン・Cai Xukun)と同じデザイン、歌、ダンス、RAP、バスケットボール、スケートボードもプレゼントしちゃいます!”というような内容の広告です。

*蔡徐坤(ツァイ シュークン・Cai Xukun)はKunとして知られる中国の歌手、ダンサー、ラッパー、シンガーソングライター、俳優。
2018年、中国のリアリティ番組「偶像練習生」(Idol Producer)の決勝戦にて約4700万票を得てチャンピオンとなり、男性アイドルグループNINE PERCENTのリーダーとしてデビュー。

こういった若年層に人気のアイドルやキャラクターに頼るプロモーションに溢れています。実際には、若者たちの好きなプロモーションとはこういったものなのでしょうか?
もちろん間違いはないでしょう。
ただ、もしかしたら企業やブランド側の思い込み、という一面もあるかもしれません。

若年層のリアルな姿、掴めていますか?

昨今、世代による違いは更に大きなものとなっています。
1つの世代としてくくられる年代幅は5年単位と短縮傾向にあり、
世代のごとの価値観、興味、関心がある話題、さらに働き方や仕事観までも大きく異なります。
1990年生まれは30歳を迎え、結婚、出産、住宅購入や車の購入、ローン返済、そして薄毛治療などに悩まされて来ています。一方、1995年代生まれは社会人デビューしたばかりで、社会の洗礼(現実の残酷さ)を受け、職場での激烈な競争を知り、同時に成長を実感しているのでしょう。
そして、この点がマーケティングする上でも注意すべき点となります。
50代の経営者、40代の広告関係者、30代のクリエーター・・・こういった方々が20歳前後の若年層にアプローチするための広告を制作しているケースも多いでしょう。
若者の興味や関心事は何か、広告やクリエイティブを制作する側は、どの程度理解出来ているでしょうか。

例として、4つ程、最近注目のトレンドを持ってきました。

V-tuber(バーチャルキャラクターのライバー)

弊社プロデューサー不破の記事(※)でも紹介しましたが、最近中国では、多くのアイドルに負けないくらいバーチャルアイドルが人気で、実際のマーケティングにも活用されるようになってきています。
※ 詳しくはこちら⇒ 中国で注目を浴びるバーチャルアイドル https://www.balconia.cn/blog/virtual_idol_cause_concern_china.html

漢服(中国の伝統的衣装)同好会

おそらく日本のマーケターの方の中には「最近の中国の若者=外国のもの・輸入品好き」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。ただし、ここ数年若者を中心に漢服ブームが起こっています。中国の時代劇が若手俳優の登竜門として定着し、若者の間で古い時代の衣装に憧れのような気持ちが生まれてきたことや、自国の文化に誇りをもとうとする社会的なトレンドが背景にあります。

小劇場のトークショー

小さな劇場やセミナースペースで行われる、主にお笑い系のトークショーで、リラックスした雰囲気の中で行われるものです。若者の間でTik Tokをはじめとする動画コンテンツが広く普及してきましたが、最も多いジャンルの1つがお笑い系であり、若年層は日々そういったお笑いコンテンツに触れています。そんな中で、オフラインでも笑いを伝えるコンテンツが徐々に人気になってきています。若者に特有の悩みをテーマにしたものや、若者を取り巻く状況を風刺するようなものも多いようです。

リーグ·オブ·レジェンド(League of Legends、LPL)

中国に限らず、世界で人気のマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナジャンルのコンピュータゲームです。中国でも若者中心に熱狂的な人気を誇り、トーナメント等、バトルが活発に行われています。

これらは中国若年層が好きなもののほんの一例ですが、皆さんどのくらいご存じでしたでしょうか?広告に関わる者として、若年層を狙うのであれば、頭に描かれた空想の若年層を考えるのではなく、まずは若年層の実態をよく知ることが必要だと考えています。
例えば、蘇寧電器、京東、雪花ビール、娃哈哈といった国内の有名ブランドや、ケンタッキー、ベンツといったグローバルブランドも、英雄連盟と協賛しています。また、人気クイズ番組やリプレイでのプロダクトプレイスメント、若年層に人気の視聴者も 審査員となる参加型リアリティ番組などもプロモーションに取り入れる等、彼らは若者のことを熟知しているように感じます。

中国若年層のトレンドを見て来ましたが、今回色々調べていくうちに、私自身も若者たちに対する見方が変わりました。。。年とったなぁとしみじみ感じています。。。改めて、色んな角度から若者のリアルな実態を探っていくことが大事だと認識しました。

最後に

最近、”アニマル(ビースト)サークル”という変わったグループがあるのを知りました。これは、擬人化された動物キャラクターが好きな人が集まるサークルです。

このサークルは、リアル世界でのコミュニケーションが苦手で孤独な人たちをターゲットとしています。イベント会場に来ると、彼らは動物の着ぐるみを購入してパンダや小豚、猫などに変身し、着ぐるみ姿でイベントに参加します。
猫ちゃんがワンちゃんとチャットをしたり、子豚ちゃんとゲームで遊んだり・・・一晩中着ぐるみ姿でもう一人の自分に変化し演じています。
アニマル着ぐるみ一着あたりの利益はRMB8000~15000元(約13~24万円)だそうです。80年代生まれのクリエーターとして、Z世代の高い購買力に感心し、驚いています。。この層を上手く取り込んでいくのがマーケティング上、非常に重要だと言うことを改めて感じて頂けるかと思います。

とはいえ、若年層に好かれるために、ブランドの本来のスタイルや価値観を崩してしまっては元も子もありません。そのような態度が、逆に若年層からの反感を買う可能性があります。そのあたりは戦略的に、マーケティング施策、クリエイティブ制作を行っていく必要があります。当社でプロジェクトをさせて頂く際にも、戦略チーム、クリエイティブチームが連携し、ブランドにとって最も良いバランスを探し、エクイティ構築を目指します。
もし、この文章に共感頂けましたら、是非balconiaまでお声かけ下さい。

kaki