2020.12.02

ビジネスが進まないのは「ターゲット理解」のせいかもしれない

こんにちは、副総経理の川崎です。今回はマーケティングに役立つリサーチの内容ですが、お伝えしたいことを簡単にまとめると「マーケティングするなら何だかんだ言ってリサーチするのが一番手っ取り早い」というお話です。
(こちらの記事もご参照下さい: 意外と知られていないリサーチの機能https://www.balconia.cn/blog/unknown_real_functions_of_research.html

 

 

マーケティングの基本はどこまでいっても「ターゲット理解」

ここ数年、P&G卒業生の凄腕マーケターの方々を筆頭にマーケティングに関する情報発信も増え、実践的なノウハウに触れる機会も増えて来ました。私も書籍を読んだり、セミナーに参加して学びを深めていますが、改めて、ターゲットをいかに理解出来ているかがブランディングやマーケティングを大きく左右する、というのに気付かされることが多いです。P&Gの行動指針「Consumer is Boss」は有名ですよね。
当社で戦略やクリエイティブのお仕事をしていても、消費者インサイト起点で作られたものと、そうでないものとでは、納得性や力強さが全く異なることを日々感じています。

 

消費者を見れば意見はまとまる(ことが多い)

社内の運営や意思決定において、特に本社と海外オフィス間においては、意見が合わずにどうにもこうにも立ち行かない、コミュニケーションが極めて非効率だ・・・というお悩みは多いかと思います。色んな原因があると思いますが、意外と多いのは関係者間で「ターゲットに対する理解がズレている」というケースではないでしょうか。

・ 世の中で流行ってるから、と理由でトレンド要素が加わりプロモーションの雰囲気が急に変わる(且つ、関係者各位が思ってる”流行”もバラバラ)
・ 日本ではこうやって成功して来たから海外でもいけるはずという自信
・ え?中国の若年層って~でしょ?という、とてつもない大きな主語でチャレンジされる

皆さま、多かれ少なかれ経験あるんじゃないでしょうか。
そんな時に一番手っ取り早い解決方法の1つは、百聞は一見に如かず、ターゲットに対するインタビューを関係者全員で見ることです。
そんな大勢のスケジュールを調整するの大変!という声が聞こえて来そうですが、冷静に振り返ってみてください。議論になったテーマを関係各所で調整するのにどのくらい時間を要したでしょうか?なかには、ワークショップまでしたけど結局分かり合えない・・・ということもあるのではないでしょうか。それを思うと、効率性についても考え方次第と言えそうです。

更に、インタビューを一緒に見ることの良さは、全員が同じファクトを見た上で、ディスカッション出来ることです。だいたいインタビューをした後に、ラップアップ、と言われる、得られた情報や気付きを全員でシェアする場を持ちます。そこで、簡易ワークショップくらいの濃度でディスカッション出来れば、かなりの確度・精度で関係者が同じ認識をシェアし、ネクストアクションに対して足並みを揃えられます。

 

リモートをうまく活用してみんなで体験

ここでお伝えしているインタビューは、いわゆる定性調査ですが、特におススメなのがターゲットの自宅を訪問して観察しながらお話を聞いていく家庭訪問調査(ホームビジットインタビュー)です。生活環境には、その人の意識を代弁してくれる物や事に溢れています。それらを丁寧に紐解いていくことが、消費者インサイトに辿りつく有効な手段です。
今は、家庭訪問もリモート中継で視聴できるケースが多く、家庭訪問調査を関係者で一斉に見ることも可能となっています。もしくは、手法を熟知したリサーチャーとブランド側の主担当者で家庭訪問したものを動画におさめて、それを関係者みんなで視聴する、ということも有効ですし時間も効率的に使えます。(本当はリアルタイムで見るのが一番ですが・・・)

 

以上、ビジネスをスムースに進める上で、リサーチを上手に組み込んでいく参考になれば幸いです。
リサーチの研修や、ご予算に合わせた消費者理解の方法などなど、ご相談ベースで対応しておりますので、是非お気軽にお声かけ下さい。

 

川崎