2022.07.19

2022年6月のウェイボー・ホットトピック厳選

皆さんこんにちは。皆様に中国大陸の事情をもっと身近に感じていただきたいという思いから、中国版”Twitter”とも言われる微博(ウェイボー)で話題となったハッシュタグの中から、面白いトピックを厳選して月次でお届けしております。内容に関する簡単なご紹介はもちろん、私たち独自の視点も併せて発信させていただきますので楽しんで頂けると幸いです。第7回の配信になりますが、個別の内容についてもっと知りたいという方、お問い合わせをお待ちしております。では、2022年6月のコンテンツはこちらです!

#2022年全国の大学入試試験申込者数が1193万人#

画像出典:ウェイボー

教育部より、2022年全国統一大学入試「高考」は6月7日より実施されるとの通告がありました。教育部の情報によると、今年の受験者数は昨年に比べ115万人増加し、過去最多の1193万人となりました。

中国大陸では、大学統一入試は全ての学生にとって人生の一大イベントであります。一般家庭出身の学生からみて、有望な人材になり、豊かな将来を手に入れ、経済的自由を実現するには、「高考」は最も手っ取り早い手段だと言えます。優秀な成績を収めてはじめて良い大学に入学でき、良い教育を受けることによって、同じ志を持つ優秀な仲間に出会えたり、大都市に行って各種リソースを手に入れたりすることが可能になるのです。「高考」という公平的なプラットフォームで、身分、社会的地位、富に関係なく、今まで学んできた知識や学習の成果を成績に反映できるため、全ての学生にとって階層を飛び越すチャンスなのです。

また、中国大陸では「高考」は社会全体にとっても大変重要なイベントであるため、試験会場において各種の電子製品に対してシャットダウンや360度全方位を監視する措置が実施されています。試験が公平かつ公正的に実施できるように、採点者に関しても匿名式を採用するなど、全国各地の多くの部門の監督のもとで調整が行われました。

今年はコロナウィルス感染拡大の影響を受け複雑な局面に対応するため、教育部は事前に国家衛健委員会と共同で各地の感染状況及び学生の状況を把握し、「参加できる学生は必ず参加する」をスローガンに、試験会場の分類や手配を実施しました。各地の会場において、通常の仕事内容以外にも突発的な事件の発生に対応できるようにコロナ対策専門の試験監督を配置しています。また、当局の要請に従い、試験会場、教室、通路、ドアノブ、机と椅子、宿舎などに対して全面的な清掃及び消毒を行い、試験期間中はもちろん、各科目及び全科目の試験終了後も徹底的な環境整備及び消毒作業も徹底しています。

このような対策が採られることは、国家教育部としていかに「高考」を重視しているかが伺えます。受験生たちが自己ベストを出せるように、自己実現できるように願っております。

#北京が全国初の減量発展を導入した超大型都市に#

6月27日、中国共産党北京市第十三次代表大会が開幕しました。蔡奇氏は中国共産党北京市第12期委員会を代表して活動報告を行いました。報告によると「今後5年間、非首都的機能の分散を堅持することによって、京津冀(北京市・天津市・河北省)の協働発展において新たな突破を実現しました。分散配置を促進し、持続的に複数の対策を講じ、多くの一般製造企業、区域性専門市場及び物流センターは秩序ある移転を完成し、2億平米以上の違法建築物の撤去を行いました。「双控(ダブルコントロール)」及び「两线三区」指示を確実に実行し、北京市6区の常住人口を2014年で14%減らすという目標を達成させ、都市農村部建設用地を110平米減少し、北京市は全国初の減少発展を導入した超大型都市になる」と話していました。

画像出典:ウェイボー

北京市が減量発展を導入する背景とその目的について、端的にいえば、ブラジルやインドなどにある貧困地域の形成を防止するための対策だと考えられます。
人口が急激に増えると多くの資金投入が必要となり、バス、地下鉄、病院、学校など公共設備やインフラ建設は大きな負担になるだけでなく、生態環境にも影響をもたらします。後先を考えずにひたすら発展をさせてしまうと、産業の枠組みが不合理になることや人口の集中は産業の発展規模を阻む恐れがあります。さらには、就業率まで大きく影響されることもあり得るため、投入と産出はアンバランスになりかねません。
北京市の減量発展をシンプルに説明すると、都市発展と人口のバランスを模索する取り組みであると考えられます。このような発展政略は大都市の交通渋滞、不動産価格の高騰、生態環境の悪化、都市住民の高齢化など急速な発展がもたらす「大都市病」を緩和する効果的政策だと言えます。そして、北京の周辺都市にも発展のチャンスが与えられ、周辺都市の発展を促進し、バランスの取れた富の分配という発展理念が実現できるでしょう。

#高価なアイスクリームはなぜ売れなくなったのか#

画像出典:ウェイボー

6月30日、#高価なアイスクリームはなぜ売れなくなったのか#がひそかにホットトピックにランクインし、多くのコメントが寄せられました。一体なぜなのでしょうか?事の発端は今月ホットな話題となった「アイスクリーム・キラー」だったようです。中国大陸には多くのコンビニエンスストアがあり、高価なアイスクリームを仕入れて冷蔵庫に保管しています。外見はいたって普通ですが、会計する際に「騙された」と初めて気づき、がっかりした消費者たちは、アイスクリームブランドのその怒りをぶつけたのです。そして、反感やネガティブなコメントが増え、激しさを増す一方となりました。

高価なアイスクリームの裏側を読み解くと、3つの共通点を見出すことができます:
1)動物や植物の形状をした、さまざまなテイストとカラフルな外観、実に多種多様です。しかし、おしゃれな外見にこだわり過ぎると、味とのギャップが開いてしまう可能性があり、いわゆる「トレンドの代償」というものです。
2)高価格の本質は、さまざまな名ブランドとのコラボによって生じたブランドプレミアムであります。おしゃれセレブというレッテルやエレガントな生活を夢みる消費者たちが、高くても買いたくなるわけです。
3)クリエイティブやブラインドボックスといった手段を用いて各SNSでクレイジーなプロモーションが行われています。トレンディーな若者にとって、高価なアイスクリームはいわゆる「ソーシャル貨幣」であり、短期間での消費行動を掻き立てています。

つい最近では、昔からあるブランド「雪莲」が突然人気を集めるようになりました。13年間値上げしたことがないという、一本RMB0.5元のアイスクリームを食べたことがない人が殆どで、今では買えないにもかかわらず、ハッシュタグを付けた#「雪莲」を絶対食べてみせるぞ#という話題がトレンドワードとして登場しました。

高価なアイスクリームはなぜ売れなくなったのか?本質からいうと、人々は消費の時代において、さまざまな罠(トラップ)が潜んでおり、「アイスクリーム・キラー」もその一つに過ぎなかったということに気付いたのです。

「アイスクリームを守ろう」という動きはブランド潰しではなく、アイスクリーム業界及びメーカーに「消費者は簡単には騙されないぞ」というメッセージを伝えようとしているのです。消費業界において、消費者は一時的に「騙されても」、ずっと騙され続けることはありません。中国大陸のアイスクリーム消費者は今まで以上に品質を重要視しており、価格だけで判断していませんので、メーカーにもぜひ品質向上に向けた取り組みを実施していただき、消費者に愛されるロングセラーを作っていただけることを願っています。

今回の内容は以上です。ご質問等ございましたらお気軽にご連絡ください、お待ちしております。