2021.05.30

中国の2021年新一級都市ランキング

 こんにちは、balconia上海のpuppyです。

 5月27日、経済メディアの「第一財経」が6年連続で発表している中国都市の商業ランキングが発表されました。詳細に関しては後日また詳しく紹介しますが、今回は新一級都市のデータのみを速報としてお伝えします。(はじめて「新一級都市」という言葉を聞いた方もいると思いますので、私が書いた「中国都市ビジネスランキングの紹介」をご参考いただければと思います。)

1、総合ランキング

 「2021年中国都市ビジネス魅力ランキング」では、新一級都市に選ばれた15都市は、成都、杭州、重慶、西安、蘇州、武漢、南京、天津、鄭州、長沙、東莞、佛山、寧波、青島、瀋陽の順となっています。

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 コロナの再発を予防・抑制しながら、都市の正常な機能を維持し、創造性を再活性することは、2020年の中国のすべての都市のテーマでした。データからは、武漢を含め大多数の都市がこれに成功していると言えます。武漢はこの一年で休止期間が最も長かったこともあり、ランキングの順位を2つを落としましたが、新一級都市のリストの上位には残っています。

 今年のリストには、「ニューフェイス」の新一級都市はありませんでした。昨年、一時的にリストから外れていた寧波が、合肥に代わってリストに戻ってきました。

 数年の入れ替わりを経て、毎年15都市が「新一級都市」にランクインするようになり、「新一級都市」にランクインしたことがある都市は合計で20都市となりました。新一級都市と二級都市の間を行き来する都市は、さらなるレベルアップを目指しています。今後数年間はそれらの都市がランキングに入ってくるため、新たな新一級都市は誕生しない可能性が高いと考えられます。

 2016年から2021年までの都市ビジネス魅力ランキングの変化図が以下となります。

データ:各年の「中国都市ビジネス魅力ランキング」

2、商業資源集積度ランキング

 この1年の中国の都市における商業資源の動きを見ると、大多数のブランドは都市の一時的な閉鎖による臨時対策は行っていないと判断できます。

 外部環境の変化があっても、一部の都市では商業資源の集中度が継続的に高まる勢いに影響はありませんでした。2017年から2021年にかけて、西安における商業資源の集中度ランキングは12位から9位に上昇し、長沙はランキングの順位を合計で5つもあげました。一方で、鄭州は商業資源の集中度で2020年の15位から2021年の11位に上昇するなど、直近の1年間で最も大きく順位が変動した新一級都市です。

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3、都市交通中枢性ランキング

 都市交通中枢性とは、都市をネットワーク配置し、その重要性を考えるものです。現在、このネットワーク関係は特殊な段階にあります。

 コロナの影響で都市間輸送のキャパシティはまだ完全には回復していませんが、交通インフラの整備は今でも着実に進んでいます。 この1年間、国際線の運航量は厳しく管理されており、国内線の運航に重点が置かれていました。多くの都市で、民間航空の国内直行便到達都市の成長率は、国際フライトポイントの成長率を超えました。例えば鄭州では、2020年に民間航空の国内直行便で行ける都市数が32%増加しました。

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4、都市活発度ランキング

 コロナは人々の動きを封じ込めてしまいましたが、都市で生活する人が行動、交流、消費、創造するニーズは変わりません。

 デリバリー、オンラインショッピング、越境ECなどのデータから、消費者の活動を読み取ることができます。2020年末までに、上海や杭州などの主要都市のデリバリーはほぼ前年並みに戻り、温州、泉州、寧波などの都市のデリバリーは前年比で増加しました。越境EC市場は北部の低層都市にも浸透し、消費チャネルは多様化が進んでいます。

 夜間活動指数は、人々の外出意欲が最も現れる指標で、都市の活性化を最も直感的に把握できるデータです。2020年の北京では、年間の夜間活動回数が前年比で84万回減少しましたが、上海では92万回増加しました。

 夜間の活動場所に関する統計によると、上海だけでなく、西安、大理、成都などの都市では、ライブ施設の成長が著しく、北京と広州ではバーが増加しました。成都ではバーは減少しましたが、合計店舗数は2018年を上回り、引き続き国内で最もバーの多い都市となりました。

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5、ライフスタイル多様性ランキング

 ライフスタイルの多様性では、2020年の都市人のレジャーや娯楽、消費行動を記録しています。

 2020年には、全国の映画興行収入が7割近くも減少しました。 興行収入上位20都市の一人当たりの年間平均映画消費は、前年比で35.96%減となりました。

 しかし、武漢は昨年、年間の映画興行収入が約4億4,000万元を記録し、興行収入総額は新一級都市ランキングの第4位と、順位をキープしました。

 Hornet's Nest(大手旅行サイト)のデータによると、全国の都市の旅行者の年間目的地数は、前年比56.4%減となりました。それでも38都市の都市人は、1年間で300以上の目的地に積極的に出かけていました。

 Keep(運動APP)データによると、天津、鄭州、石家荘の人々は、「おうち時間」に健康を維持しようとする意思が強いことがわかりました。テンセントのマーケティングデータによると、成都、杭州、西安の人々は、スポーツ情報に高い関心を維持しています。

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6、未来可塑性ランキング

 伝統的な産業構造を持つ一部の都市では都市開発が進んでおり、優れたローカル企業が増えてきています。例えば太原市では、2019年から2020年にかけて、ハイテク企業や技術系中小企業の数が倍増しました。

 新興産業に関して、無錫市は、ハイエンド機器製造、省エネ・環境保護・新エネルギー分野の企業数で絶対的優位を保っています。また、滄州、合肥、石家荘はそれぞれ新素材、新インフラ、健康産業の企業が多く存在しています。

 産業力の向上は、その都市に人も集めます。ここで言っている人というのは、大学卒業生や帰国子女だけでなく、広い意味で都市の生産に貢献できる若い人たちを意味しています。恵州、金華、温州、無錫、中山、嘉興は、非省庁系の二級・三級都市の中では新規流入人口で上位に位置しています。

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 今回の速報が以上となりますが、以前のランキングにも興味ある方が以下の記事を読んでいただければと思います。

2019年 「中国都市であなたの可能性を見つけよう

2020年 「2020年 中国都市ビジネスランキング速報